「59歳の女性です。夫(外国人)の義父母の話です。遺産相続トラブルの話を聞いてびっくりしました。家族を幸せにするために義父母が頑張って手に入れた美しい家が、逆に家族をバラバラにしてしまうなんて...」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■長男と次男が作った不公平な遺産分割協議書
私の義父母は南欧出身の外国人です。
義父は電気技師、義母は家政婦として働き、故郷に一軒家とアパートを購入しました。
夫は子どもの頃にプレゼントを貰った記憶はないそうですが、その代わり義父から「家族が集まる家を買う」と言われていたそうです。
一生懸命に働き、お金を貯め、「目前に広がるレモン畑、屋上からは満天の星、そしてプール」という美しい一軒家を義父母は手に入れました。
私も遊びに行ったことがあり、その恩恵にあずかったこともありました。
そんな家族の幸せが壊れたのは、11年前、義父(80歳)が亡くなり、相続トラブルが起きたときです。
夫(当時44歳)は4人兄弟で、長男(47歳)と次男(45歳)が勝手に遺産分割協議書を作り、サインしろと言ってきました。
レモン畑とプール付きの一軒家は長男と義母(73歳)、小さなアパートを長女(49歳)と次男と夫の3人で分割という内容でした。
長男は一軒家を年老いた母親と自分の名義にすれば、実質、自分の自由になり、仲の良い次男をアパートの相続人に入れておけば長女と夫は換金できず、子どももいないので、いずれ次男の子に相続、それまでは自分も利用できると計算したようです。
長女は一軒家を事実上、長男が独占したことに異議を唱えたものの、既に司法書士の作成した書類で「早く手続きを終えないと母が困る」と急かされ、渋々サイン。
夫は「僕の分はお兄さんへ」と言いかけたのを「この先、何が起こるか分からないから!」と私が阻止し、アパートの3分の1を相続しました。
■一軒家の実権を握った長男と次男の景観ぶち壊しに義母は意気消沈
相続後、最も恐れていたことが起きました。
南欧特有の平屋を気に入っていた義母の猛反対を無視して、長男が2階を増築。
パーティー好きな次男は、自分好みの派手なテントを庭に設置しました。
様変わりした風景を見て、義母は元気がなくなっていきました。
極め付けはレモン畑を潰してプールを新設したこと。
長男は電気技師、次男は大工のため、2人の「実家リゾート化」計画は着実に進行していったのです。
長男は友人たちとシャンパン片手にプールでくつろぐ写真をSNSで夫に送ってきます。
「すごくない?」と見せてくる夫に「あなたにとってはただの絵に描いた餅でしょ」と私。
実際、夫がそのプールで泳ぐことはないでしょう。
夫が相続したアパートも長期休暇のたびに工事。
長女と夫は遺産から何も享受しないまま、次男の子に相続するようなのですが、次男は何を考えているのか、勝手に施工している工事の代金を夫に請求してきます。
入居者もいるアパートなので、工事費も捻出できるはずですし、賃貸料を長男と次男が懐に入れている可能性さえあります。
また、長女は増築した2階に滞在していたところ、現金を盗まれたそうです。
しかもその際、部屋に設置された隠しカメラを発見しました。
長男の仕業と思った長女は長男と大喧嘩。
一軒家で休暇を過ごすこともなくなりました。
それにしても義父の生前はあんなに仲の良かった家族を、簡単にバラバラにした遺産相続の恐ろしさに驚きます。
公平にしていれば、いまも家族は父親が遺した一軒家に仲良く集まっていたはずなのですから...。
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