アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
【前回】「私...好きになる人みんな既婚者やねん」30過ぎて初彼氏ができたとはしゃぐ友人の呆れた行動
不倫をしていた加奈からは連絡が来なくなり、同窓会にも来なくなった。
加奈だけではなく、同窓会のご案内が宛所不明で戻ってきたり、2年連続で返信が無い場合は次の年からは出さないと決めていた。
一応こちらとしてはボランティア的に幹事をやっていたので、案内のハガキ代も経費削減はしたい。
加奈とはそれっきりになり、風の噂でも耳にしなくなった。
数年後、四捨五入をすれば四十路に手がかかる歳になった頃、高校時代の同級生、百合から「婚約した」と連絡があった。
そりゃめでたい!
当然久美にも連絡が行き、3人でお祝いしようと集まった。
百合の婚約者はサラリーマンとの事で、花嫁修業のために仕事は辞め、知り合いからの紹介で知り合って、とんとん拍子に結婚まで決まったという。
百合は私に結婚式の司会をしてくれないかと言い、長年の親友のため快く引き受けた。
久美には受付を頼んでいた。
もちろん久美も即答で引き受けていた。
百合は高校の同級生では私と久美の二人しか呼ばないと言い、それでもお互いに親戚の数が多いので結構な人数の式になる予定らしい。
私は地域のイベントやPTA等でも司会をする機会が多く、高校の頃の委員経験でも前に立って進行等をする事が多かったのである意味司会は得意だった。
結婚式の日取りが決まり色々な打ち合わせがこれから始まるという頃、百合が婚約者と一緒に我が家に挨拶に来たいと連絡が来た。
最初、喫茶店で会うのかと思っていたが自宅に来ると言う。
百合が言うには「彼が『ご自宅まで行ってご挨拶がしたい』と言うので、出来ればご主人にもご挨拶したい」との事だった。
うちの夫に会ったところでどうする? 結婚式には私しか行かないのに? とは思ったが、今後は家族ぐるみでの付き合いになるかもしれないからという意味で受け取った。
普段は日曜に休みが取れない夫だったが、たまたま日曜に休みが取れた日に百合と彼が来た。
「狭い家ですがどうぞ♪」
百合と彼をリビングに招き入れた。
二人は始終笑顔で、私も幸せのおすそ分けを頂いたようで心が温かくなった。
実のところ、ずっと結婚をしたいしたいと言う割には、四十路がちかくなってきたのに結婚の「け」の字も無かった百合と久美なので、このまま結婚出来ないんじゃないかと心配していた。
しなければしないでそれも人生なんだろうが、本人たちは会うたびに「一日も早く結婚したい!」と言っていたので、百合だけでも決まって良かったと本当に思った。
今日はひとまずご挨拶という事で来たらしく、結婚式の打ち合わせはまた後日という話だった。
来てからものの30分も経たずに用事が終わってしまったので、この後はどうする? うちの夫はフランクに初対面の人と話をするタイプじゃありませんが? と思っていたら、百合が彼に「じゃあ、そろそろ」と声をかけた。
彼が立ち上がったので、てっきりそれで帰るのかと思い私も立ち上がりかけたが百合は座ったまま。
「?」と思っていたら、彼は玄関に置いたアタッシュケースを取りに行った。
うちに上がる際、彼が玄関にアタッシュケースだけ置いて上がって来たので、「ん? それは??」と気になっていたのだ。
百合たちは車で来ていたので、無用な物なら車に置いて来るだろうから、なぜ持って上がって来たのか? それも玄関に置いて来るのに不思議に思っていた。
彼は私たち夫婦の前でアタッシュケースを広げ、中からカタログやらチラシや書類を何枚も出してきた。
「かづ、○○って知ってる?」
百合が口にした○○とは、当時マルチではないか? と噂されだしていたものだった。
結婚の挨拶だと言うから招き入れたのに、まさかマルチの勧誘が始まるとは。
心の底からゲンナリした。
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