アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
3カ月間の短期契約で子ども服店のアルバイトをしていた時のお話です。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】ブラックすぎるバイト先の「売り上げ隠し」。管理会社にバレなかった「巧妙な手口」とは
バイト先の給料未払いを相談するため労働基準監督署へ。
労働基準監督署など初めて行くのでドキドキしたが、対応に出てくれたのは50代くらいの男性だった。
タイムカードのコピーと通帳を見せ、明らかに1時間ずつ減らされているのを確認してもらう。
その1時間減らされていた理由が「バックヤードでおにぎりかじった時間とトイレに行った時間」だと説明すると、労基の方は「すごいこと言いますね」と笑いをこらえられない様子だった。
そのほかにも、あらかじめ面接時に勤務内容(基本一人勤務)や待遇(食事とトイレで休憩1時間マイナス)の説明はあったかなども聞かれた。
「そんな物は一切ありません。勤務初日からいきなり一人勤務やったんです。給料も最初は足りない分は翌月に一緒に払うって言われたんですが、結局翌月も足りなくて問い合わせたら1時間マイナスにしてるって」
ちなみに労働基準法では、【労働条件の明示】が決められていて、それも口約束ではなく、書面をもって雇用契約をすることになっている。(労働基準法第15条)
勤務の場所や仕事内容、勤務時間に残業や休憩、賃金や計算方法に支払い方と時期に加え、辞める際の決まり(解雇の場合も含む)などを、あらかじめ明示する必要があるのだ。
なので、バイトの面接時に口約束で「1時間○○円だけどいい?〇曜日入れる?じゃあ明日来て」みたいな感じで決まっちゃう事も多いだろうが、基本的にはNGなのだ。
私も子ども服店がこんなにブラックだとは想像もしていなかった。
「支払ってもらえますかね?」
そう不安げに聞く私に、労基の方は明るい顔つきで答えた。
「まずここのお店に電話して、事実確認をします。これって朝からずっと一人で仕事してるんですもんね?なのにおにぎりかじったりトイレ行ったのを【休憩】やなんて無茶ですからね。一人で勤務してるんやから、休憩するには店閉めなあかんもんね。閉めてないんでしょ?それやったら休憩してへんもんね。そもそも長時間勤務が問題やからね」
「それで認めますかね?」
「それで認めんかったら『事情を聴きたいから来てくれ』と呼び出します」
「えっ!?呼び出す!?でも、呼び出しても来なかったら?」
「呼び出しても来んかったら調べに入ります」
「強制捜査みたいなもんですかね?」
「ハハハハ!まぁ、そんなもんです(笑) まぁ、とりあえず電話してみますから」
労基の方の明るい顔に安心したものの、本当にそんなのであの経理の奥様が未払い分を全額支払ってくれるのか信用しづらい気持ちで労基を後にした。
帰宅しながら「今頃店ではえらい事になってんのやろなぁ」と思い、アルバイトの木島さんがうろたえる様子が目に浮かび、少し胸が痛んだ。
そして肝心の給与未払い金は、なんと労基に相談に行ってからわずか2日で全額入金された。
おそらく労基に行った翌日に担当者さんが経理の奥様に電話をかけ、その翌日に全額入金したのだろうと想像した。
私はてっきり労基の方がこっぴどく経理の奥様を叱責したのだと思ったが、そうではないらしい。
入金されたとしてもいくらか減らされての金額だと思っていたから、この全額入金は正直言って驚いた。
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