<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2014年、私は自宅から徒歩15分ほどの歯科医院に通いはじめました。
この歯科医院は年配の女性が1人でやっています。
治療についてこちらの要望を割と聞いてくれ、予約に融通が効くこともあり、しばらく通っていました。
しかし、少し「古いな」と感じるところも否めませんでした。
しばらく前に建て替えてそれなりの外観ではありますが、内装は昔ながらです。
治療の器具も最低限のものしかありません。
うがいのコップは昔懐かしの、あの金属の小さなコップです。
それだけならいいのですが、私が気になっていたのは、医師がいつも素手で治療をすることです。
昔から素手で治療を続けてきたであろうその年代の医師にとっては、素手のほうが感覚が掴みやすいのかもしれません。
他の患者さんとの間を行き来するときには手を洗っています。
そのため「医療用手袋をつけて欲しい」とはお願いしませんでした。
そして、夏も近づいたある日。
私が治療用の椅子に座って医師を待っていると、そこに現れた医師の姿に愕然としました。
というのも、白衣は薄汚れて黒いすすが付き、手は真っ黒だったからです。
指や手のシワにはどす黒い汚れがこびりつき、ブラシなどで洗っても到底落ちそうもありませんでした。
爪も全体的に黒くなってしまっていて、爪の間には目を覆いたくなるほどの黒い汚れが溜まっているのです。
「先生、どうしたんですか?」
一体どのようなことをしたらこんなに汚れてしまうのかと不思議に思った私は、思わず医師に質問をしました。
「ああ、エアコンが壊れてしまってね。さっきまで格闘していたの。結局、直らないから業者を呼ぶことにしたのよ」
エアコンと格闘⁉
一般家庭のエアコンと違い、歯科医院のものは天井に埋め込まれているタイプでした。
まさか、あの天井のエアコンの中に果敢にも手を突っ込み、格闘していたのでしょうか...。
治療のときと同様に、手袋もせずに修理しようとしたため、手が真っ黒になってしまった...。
まさか、その手で治療はしないよね?
そう思った矢先に、医師はいつものように治療を開始。
え...こんな状態でも医療用手袋をしないの? 今すぐ治療を中断して!
さまざまな思いが私の頭の中を駆け巡りますが、私はすでに口を開けられている状態。
もはや言葉を発することはできません。
治療が終わって「噛み合わせや違和感などは大丈夫ですか?」と聞かれるも、早く帰りたい一心で「大丈夫です!」と答え、必死にうがいをして帰りました。
この歯科医院にはそれ以来、行くことはありませんでした。
人気記事:《漫画》「うらやましい。私も流産したい」と言い放った同僚。18年前の言葉が許せない<前編>
人気記事:《漫画》同居して36年...100歳で亡くなった義母が言いふらし続けた嘘ばかりの「悪口」<前編>
人気記事:「もう触らないで!」認知症の母が生後2カ月の赤ちゃんを落とし...《石塚ワカメ》
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。