<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
私が20代の頃に、海外でルームシェアをしていたときの話です。
私は東南アジア系の夫婦(50代)が賃貸で住むアパートの一部屋に、ルームシェアとして住んでいました。
アパートは日本でいうところの2LDKで、私の部屋には専用のバスルームとトイレが付いていました。
キッチンとリビングは家主の夫婦と共用。
夫のAさんと婦人のBさんはとても親切で、関係も良好でした。
そんなある日、ちょっとした事件が起きました。
私がバスルームでシャワーを浴びようとバスタブに足を入れたときです。
ピキッと嫌な音がしました。
見ると、バスタブの底に大きな亀裂が入っていました。
バスタブはもともと古く、いろいろな所にヒビが入っていたのですが、私は一応夫婦に報告。
すると、夫のAさんが血相を変えて、私に「バスタブを弁償しろ」と言ってきました。
亀裂は明らかに、経年劣化によるものです。
しかし、こちらが何を言っても聞く耳を持たず「お前が壊した」「お前が悪い」と、猛烈に怒鳴りつけてきました。
話の通じない相手に困惑し、結局私は「保険会社に相談してみる」と言って、その場は収めました。
保険会社に相談したところ、私が海外滞在用に加入していた保険には、滞在先での器物損壊に関する保障が付いていました。
しかし、保険会社の方も、足を入れただけで亀裂が入ったのなら、経年劣化による損傷の可能性が高いので、私に賠償責任はないだろうという判断でした。
しかし、一応「その国の法律などを調べてみる」ということに。
ちなみに私が入居した際、特別な契約書類などは作成していません。
私は家主の夫婦に「保険会社の調査にしばらく時間がかかる」と報告。
すると後日、Aさんが「知り合いの弁護士に確認したら、責任はやはりお前にある」と言って、粗末な書類を渡してきました。
そこには、あたかも私の過失によってバスタブが壊されたかのように書かれており、賠償金額として、日本円で約100万円の金額が記されていました。
そして「保険会社にその額を払わせろ」と言われました。
そのときのAさんの態度はとても威圧的で、こちらを言いくるめて、お金を取ろうとしているのではと感じました。
やはり私の予想は的中。
一週間ほど経った頃、保険会社から連絡がありました。
担当者の話によると、このアパートは賃貸なので、経年劣化によるバスタブ損傷の責任は、物件の管理会社、もしくは物件所有者にある可能性が高いとの話でした。
私はさりげなくBさんから契約している不動産会社を聞き出し、直接話をしに行きました。
不動産会社の方は、私が高額な賠償請求をされていることを知ると、すぐに現場を見に来てくれて、間違いなく経年劣化だと確認してくれました。
同席したBさんにも「彼女にもあなたたち夫婦にも弁償する義務はないよ」と言ってくれました。
そのときのBさんは、安心するでもなく、バツが悪そうな顔をしていました。
どうやら、もともと自分たちに弁償する義務はないと分かっていながら、私からお金を取ろうとしていたようでした。
日本の保険会社に請求すれば簡単にお金が下りるとでも思っていたのでしょうか。
とにかく、私に責任がないことがはっきりしたため、私はAさんが帰って来る前にアパートを引き払いました。
直接話したら逆上されかねないですし、もう話す気にもならなかったからです。
トラブルが解決したら出ると決めていたため、準備もできていました。
海外で保険のありがたみを感じた出来事でした。
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