<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ころちゃん
性別:男性
年齢:55
プロフィール:あたかもコロナは終わったかのような世間ですが、感染してまき散らさないよう日々気をつけています。
私がここ2年で経験した話です。
私は派遣会社から公共施設の受付業務を与えられ、稀に見る良好な職場環境で働くことができました。
同僚は50歳過ぎの自営業者や本業を休職して派遣会社に登録していた方々で、社会経験と常識を備えた人たちでした。
不愉快なこともなく、約2年の契約期間を楽しく働かせていただきました。
事件といえば約1年前、新メンバーにNさん(40歳)が加わったことです。
Nさんの態度は尖っていて、入社当初は笑顔もなく、職場の仲間に入る素振りさえありませんでした。
年齢が私たちより一回りほど下だったため、みんなで声をかけるよう心がけましたが、そんな私たちの気遣いをよそに、Nさんは私たちを避けているようでした。
「こんな仕事だったら1日で覚えられますね」
口を開いたと思えば、そんな反感を買うような言葉ばかりでした。
しかし、Nさんはそれほど仕事ができず、結局私たちを頼るしかなかったのです。
次第にNさんの態度は柔らかくなりました。
「こんな優秀な人たちが揃ってるなんて、夢にも思いませんでしたよ」などと、殊勝な言葉を口にすることも。
ところが、仲良くやっていけると思ったのも束の間、今度はNさんの甘えが私たちを困らせることになったのです。
Nさんは始業前にコンビニで購入してきたスナック菓子をべちゃべちゃバリバリと、大きな音を立ててむさぼります。
「始業前は自由だけど、隅のほうで食べてよ」
職場の責任者(53歳)に注意されても、真に受けている様子がありません。
さらには異様な雑音をまき散らすようになります。
大きく伸びをしては...。
「ううう!」
何か思いついては膝を激しく叩き、パソコンのキーを高らかに打つかと思えば...。
「何やこれ!」「ううわ!」と声を荒げます。
ブカブカの革靴をドタバタと響かせながらトイレに行ったり、飴をガリガリと噛み砕いたり、次第にNさんの騒音に悩まされるようになりました。
「うるさいぞ!」
たまりかねた同僚(51歳)が注意をすると、何を勘違いしたのか嬉しそうに頭を搔いてニヤニヤしています。
さらに私たちが我慢ならなかったのはNさんの話です。
世間話に彼も加わるのですが、話す内容がとにかく変なのです。
「夜道を1人で歩く女性の後を、わざと足音を立てて追いかけるんですよ」
そんな内容を楽しそうに話すNさんの姿を見て、私たちはドン引きでした。
他にもデートスポットで友人と卑猥なことを叫んで帰ってきたとか、全く笑えない話をする彼に、私たちは眉をひそめました。
Nさんは、みんながなぜ自分の話で笑わないのか分からない様子でした。
そんな中、派遣会社からの情報で、前の派遣先でトラブルを起こして期間満了前に契約終了となっていたことが分かり、みんなで納得しました。
悪い人間とは言いませんが、言動が異様に幼稚なのです。
そんな私たちの現場も、契約期間の終了が迫ってきました。
私たちはそれぞれ身の振り方を考え、本業に戻ったり別の現場を決めたり、Nさんを除いて全員が次の仕事に落ち着きました。
甘え放題の彼は何も決まらず、未練タラタラ。
「寂しいっすね」
そう言って塞ぎ込むようになりました。
「早く動いたほうがいい」「現実的な選択が大事」と、私たちは精一杯の助言をしましたが、一向に耳を貸す様子は見られません。
年下とはいえ立派な大人、私たちにそれ以上できることはありません。
やがて私たちは何も言わなくなり、Nさんもほとんど口を開かなくなり、拗ねたように一層大きな音を立てるようになりました。
職場の雰囲気は重苦しくなりますが、私たちはあと少しの辛抱と耐えました。
最後に良き仲間とお互いの仕事をねぎらい、連絡ツールのアカウントを交換し合いましたが、その輪の中にNさんはいませんでした。
大人になれば、それなりの振る舞いが求められます。
私も自分を謙虚に見つめ直す良い機会になりました。
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