<この体験記を書いた人>
ペンネーム:トリコ
性別:女性
年齢:50
プロフィール:W不倫していた夫(52歳)に見切りをつけ別居に踏み切りました。家族の世話から解放されて1人暮らしを満喫中。
コロナ禍前、2019年春の出来事です。
職場の同僚6名で会社の近くへ夜桜見物に行くことになりました。
同僚はみな、私(当時46歳)と同年代のアラフィフ女性ばかりで、楽しい花見になるはずでした。
場所取り担当になった私ともう1人の同僚は、昼休憩中に花見会場へ下見に行きました。
そこは川の両岸にソメイヨシノが何千本と植えられている絶好のお花見スポットで、夜にはライトアップもされるということでした。
屋台が並んでいる川沿いの道にはすでにブルーシートが敷いてあったため、空いている場所を探して同僚と2人でしばらく歩きました。
すると、メイン会場からは少し離れているものの、遠目に桜並木が見渡せる高台のような場所を見つけました。
背後にはツツジの茂みがあり、3人がけの木製ベンチが等間隔に並んでいました。
周りには民家もなく、お酒が入って少々声が大きくなっても近所迷惑になるようなこともなさそうでした。
私と同僚はさっそくブルーシートを広げ、持参した折り畳み椅子2〜3脚を重石代わりに置いておきました。
ひと仕事終えて会社へ戻ろうとしたときです。
背後から若い男女の声が聞こえてきました。
振り返ると、ツツジの茂みの前にあるベンチに、20歳そこそこの年齢と思われるカップルが腰かけていました。
女性のほうは、スリットの入ったタイトスカートを穿き、目のやり場に困るほど襟ぐりの大きく開いたトレーナーを着ていました。
一方、隣に座る男性は野球帽の下から金髪が覗き、耳にはいくつものピアスがはめ込まれていて、見るからにやんちゃそうな雰囲気でした。
彼は女性の体にピタリと自分の体を寄せ、ふざけてキスをしようと迫っているところでした。
2人とも自分たちの世界にどっぷり浸っていて、私と同僚の姿は視界の片隅にも入っていない様子。
「わ、なんかスゴイもの見ちゃったな」
そう思って同僚のほうに目をやると、好奇心丸出しの表情でこちらに目配せをしていました。
私たちは高台を離れるやいなや「まだ陽も高いのによくやるわねえ」とケラケラ笑い合って会社に戻ったのでした。
しかしその数時間後、私を含めた同僚6名は笑えない状況にいました。
仕事を終えていざブルーシートを敷いた場所まで戻ってみると、辺りは若いカップルだらけだったからです。
おそらく4〜5組はいたでしょうか。
昼間に見た野球帽の男性と露出度の高い女性の姿はさすがになかったものの、その子たちに負けずとも劣らないやんちゃそうな男女が、薄暗い街灯の下でクスクスと忍び笑いを漏らしていました。
「どこかよそへ行ってくれないかなあ」と思ったのはお互い様でしょう。
しかし、いまさら空いている場所もなく、私たちアラフィフのおばさん連中は「若いっていいわね」と苦笑いを浮かべつつ、なぜか小さくなって缶ビールで乾杯をしたのでした。
後から聞いた話では、この場所は地元のカップルたちの絶好のデートスポットらしく、夜の闇に乗じ、度を越していちゃつくことも多いのだとか。
同僚たちの顔が心なしか赤かったのは、ビールのせいだけではなかったと思います。
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