<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みわちゃん
性別:女性
年齢:62
プロフィール:突然の災難、いつどこでどんなことが起こるか。真面目に暮らしているつもりが石ころにつまずきます。
いまから40年ほど前のことです。
友人から「ドレスを作るのがとても上手な人がいて、お手頃の値段で作ってくれるから、もしドレスを作ることがあったらいかが?」と、50代後半ぐらいの女性Aさんを紹介されました。
私はピアノを演奏するので、Aさんにコンサートで着るための黒いドレスを作ってもらうことにしました。
採寸から始まり、何度か試着を繰り返して1カ月ほど経った後「ドレスが出来上がりましたから伺いますね」と連絡が入り、Aさんはドレスを自宅まで持ってきてくれました。
出来上がったドレスはとても素敵で本当にうれしかったのですが、Aさんが「あら? ベルトにつける大きなリボンがないわ。あっ、持ってくるのを忘れてしまいました!」と言い出しました。
Aさんは「申し訳ありませんでした。急いで持ってまいりますね」と丁寧に謝ってくれました。
ただ、その日は次のお客さんとの打ち合わせの約束があったそうで、代わりにAさんの娘さん(20代半ば)が持ってくることになりました。
ところが、待てど暮らせどいつまでたってもリボンが届きません。
娘さんが迷ってるのではと思った私は、彼女の家に電話して、どうなっているのか聞いてみました。
すると「玄関のドアのノブに紙袋に入れたリボンを下げておいた、と娘が言っています」とのこと。
呼び鈴を押して、直接渡すのが当たり前では...とちょっとムッとしつつも、玄関のドアノブを確認したのですが、かかっていません。
もう一度確かめるため電話してみると、娘さんは部屋の番号と名前を確認しなかったため、どうやら隣家のドアノブにかけてしまったらしいのです。
そこに入っていたのは、大きな大きな黒いリボンです。
それが突然ドアにかかっていたらお隣さんはどう思ったのか、想像すると肝が冷えました。
お隣さんは少し前に引っ越してきたばかりの人で、まだ会ったことがありません。
そのため、どんな人か全く分かりませんでした。
恐る恐る隣の家の呼び鈴を鳴らしたところ、出てきたのは20代半ばぐらいの少しツンとした感じの女性でした。
リボンのことを話したら、カンカンに怒り出しました。
リボンを見つけた彼女は嫌がらせだと思い、ひとまず家の中にリボンを入れたとのこと。
なんとか、リボンは回収はできたのですが、怒りはおさまらないようで...。
それはそうでしょう。
突然、お葬式でも使えそうな大きな黒いリボンが理由もなくドアノブにかかっていたら、嫌がらせだと思われても仕方がありません。
彼女は精神的なダメージを負ってしまったのか、何を話しても聞く耳を持ってくれませんでした。
本来、私が謝る必然性はないことだよなぁとも思いつつも平謝りし、後でAさんと当事者の娘さんと再度、お隣さんに謝罪しましたが許してくれませんでした。
それから2週間ほどたったある日、お隣さんは引っ越していきました。
そこまで嫌だったのか...と申し訳なく思いましたが、そこまで怒ることなの? とちょっと「?」も残りました。
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