「300万円貸してくれない?」息子から突然の相談。その目的は...親心がモヤモヤしてしょうがない!

急に息子や娘から「お金を貸して?」と相談されたら...。しかもそれが高額だった場合、どうするのが親として正しい対応でしょうか。今回は息子から投資を相談されて、その内容を聞いてみると...という実体験エピソードを紹介します。

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:61
プロフィール:地方都市で再任用公務員をしている61歳の男性です。趣味に没頭している息子(26歳)に気をもむ日々です。

「300万円貸してくれない?」息子から突然の相談。その目的は...親心がモヤモヤしてしょうがない! 43.jpg

最近でこそ愛好家も増えてきたようですが、息子がサバゲー(サバイバルゲーム)にハマり始めた10年ほど前は、まだまだオタクの趣味という認識が強かったように思います。

息子は高校生の頃からガス銃(ガス圧で弾を発射するタイプの銃)を中古店などで買い漁っていましたが、社会人になってからは自由になる金のほぼ全てが武器(?)の調達に充てられているようです。

「何だここは? 兵器倉庫か? 銃砲店か?」

息子のアパートを訪れたときはあっけにとられました。

2部屋あるアパートに住んでいるのですが、そのうちの1部屋(それも広い方)は、壁一面に銃がかけられていました。

床にも所狭しと装備が並べられ、本人はドヤ顔でしたが、父親の私としては血の気の引く思いでした。

2023年の正月はサバゲーの年越しイベントとやらに参加し、姉(28歳)が久々に帰ってくるというのに帰省してきませんでした。

「まあ、お姉さまに会うより大切なことがあるってことでしょうね」と、愛想を尽かされてしまったほどです。

そして、正月の終わりに突然、「パパさん、俺に投資してくんない?」と息子から電話がありました。

「は? 何の話だ? なんか詐欺めいた怪しい話にでも引っかかってるのか?」

いつも通りの急なお願いごとでしたが、とにかく話を聞いてみることにしました。

息子は地元のバトルフィールド(サバゲー会場)に足しげく通ううち、経営者の男性(60代)と親しい仲になったそうです。

休日にはフィールドの整備なども手伝うようになり、すっかりボランティアの従業員のような立場になっていたそうですが、その男性から共同経営者になることを提案されたというのです。

「300万円ほど出せば、正式に共同経営者として登記してもらえるって話でさ、悪くないでしょ?」

息子はその気になっていましたが、「はい、そうですか」とはいきません。

「いまの仕事はどうするの?」

「辞めないよ。サバゲーフィールドの運営はあくまでも副業。いままでも休日だけの手伝いだったからね」

すっかり本人はやる気になっているようです。

「副業って、どのくらいの収入になるの?」

「収益は投資比率で配分って話だから...いまの状態なら月10万円ぐらいにはなるんじゃない?」

「そんなんじゃ、300万円を返すだけでも数年かかるじゃないか」と、甘い見通しをたしなめようとしたときです。

「返す...って?」

息子の声は、考えもしなかったことを言われた、といった調子でした。

「だから...俺が300万円を貸すんだろ?」

私がそう言うと、しばらく息子は黙っていましたが、探るような声が聞こえてきました。「俺さ...投資して、って言ったよね?」

やっと「投資」という言葉の意味が分かりました。

息子は私から元手の300万円をせしめて、後はほぼ返す気のない出世払いと決め込むつもりだったのです。

「まあ、ゆくゆくは俺がメインの経営者になるつもりだからさ、そうなれば300万円ぐらいあっという間に...」

「まあ、話は分かったからちょっと考えさせてくれ。じゃあな」

そう言って電話を切ったものの、このまま突っぱねたら良からぬところから借金など抱え込みかねない勢いだと思いました。

話しぶりは自信満々で、サバゲーフィールドの未来のカリスマ経営者を確信している息子。

どう説得しようか頭を悩ませているところです。

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