これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】浮気を続ける夫。責める私に、夫が憎たらしい顔で返してきた「信じられない言葉」
どうやら私には旦那を引き留める魅力は無かったようです。
ある日のこと、嫁に行った長女から貰った梅酒720mlの瓶がまだ半分程残っているのに気付きました。
私は居酒屋の女将であったにも関わらずお酒は滅茶苦茶弱いです。
若い頃はそれでもまだ少しはましでしたけど。
お昼ご飯(とは言っても私にとっては朝ご飯)の時に残っていたそれを全て飲み干しました。
火照った頬に手をあてながら自分がこれ程までにお酒に弱くなっていることにびっくりしました。
食事を終えてこたつに座っていると頭が少しポウッとしてきました。
と同時に私の目に涙が溢れているのに気付きました。
あれ? 何だろう・・・・・この感情。
あぁそうか・・・・・私って旦那に愛されて無かったんだっけ。
そういえば子どもの頃だって親に愛されず育ったっけ。
いつも誰かに愛して欲しいと思ってたなぁ。
就職試験にあぶれ、高校卒業と同時に始めた喫茶店のアルバイト先にいた先輩アルバイトの大学生、それが旦那。
それから親と暮らしていた会社の寮を家出同然に出て、旦那の1人暮らしのアパートに転がりこんだっけ。
愛とか恋とかなんて良く解らない子どもの私だったけど、この人と一緒にいると何だか心地良く思えたっけ。
暫く一緒に暮らしているうちにこれが愛情なのかなと思い始めたっけ。
それから旦那の卒業と同時に正式に結婚して子どもも産まれて、平凡だけれどこれが幸せというものなんだなあって染み染みと感じていた毎日。
サラリーマンの時だって、一緒に居酒屋を始めてからだってお休みの度に家族で出掛けて、ふざけたり笑いあったり何気ないひとときがとっても幸せだったなぁ。
あの愛情薄かった自分の母親との関係とは違う、 素敵な素晴らしい家庭を築く事が私には出来た。共に白髪の生えるまで。
・・・・・なんて思っていたけれど。
結局あれもそれもこれも全部幻となってしまった。
それでもせめてもの救いは子どもたちが成人した後だったこと。
ずっと迷っていたけれど、旦那とは別れよう。
それが後何年先になるかわからないけど。
離婚を切り出したら旦那はなんて言うだろう。
『愛してるんだ、別れたくない』
・・・・あ〜絶対無いな。
『店はどうするんだ。』
・・・・だろうな、きっと(笑) 。
何せ格安物件だもんな、私。
他に人を雇ったら金銭的に愛人と遊ぶ余裕は無くなるだろうし。
私に残って欲しいよね? いや、欲しくないかも。
私の後釜は愛人にやらせればいいもんね。
あ、その際はお給料は無しで宜しく。
私にも払ってなかったんだから当然よね?
あ~ぐだぐだぐだぐだ、一体何考えてんだろう私。
きっと今飲み干した梅酒のせいだよね。
さて、暫くしたらまた忙しい週末の店で働かなくっちゃいけないし。
涙は拭くとしますか。
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