<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
5年ほど前の話になりますが、電車に乗っていたときのこと。
利用した電車は、7人掛けの長椅子が向かい合わせに配置された、一般的なローカル電車。
平日の午後3時頃で、比較的に空いている時間帯でした。
7人掛けの長椅子には、6人が少しの間隔を取って、ゆったりと座っている状況です。
私と両隣の人との間にも、それぞれ5~10cmほどの間隔がありました。
客層は、スーツを着たサラリーマン風の男性、学生風の若者、買い物袋を提げた年配の女性と幅広く、車内には穏やかな空気が流れていました。
しかし、駅前に大きなショッピングモールを有する駅に停車した際、信じられない出来事を目にしたのです。
特急なども停車するその駅では、多くの人が乗車して来ました。
一応席を詰めようと、私はお尻を左へずらしました。
しかし、隣の男性は動かなかったため、できた隙間は15cm程度。
とても誰かが座れるスペースではありません。
と、そのときです。
いま乗車してきた20歳代前半くらいの若い女性が1人、私のほうへ向かって来ました。
失礼ですが、その女性は明らかに座席2人分のスペースを必要とするほどの、ふくよかな体型です。
私と右隣の人との間隔が他よりも広かったためか、椅子に座る気満々の勢いで、目の前までやって来ました。
一応、もう一度お尻を左へずらす動作をする私。
しかし、隣の男性はやはり動かなかったため、残念ながら彼女が座れるだけのスペースは確保できませんでした。
そもそも、6人全員が詰めたところで、彼女の大きなお尻は収まりそうもなかったのですが。
ところが、次の瞬間です。
体の向きを変えると、どう見ても収まりそうもない15cmほどの隙間に、ジャンボなお尻をねじ込んで来たのです!
腰を下ろすというよりは、重力に従ってお尻を落とすといった表現が正しい、豪快な動きでした。
私の体は一気に横に押され、隣の男性、さらにはその先の乗客までもが、連鎖するように次々と端まで押されていきました。
骨盤が折れるのではないかと思えるほどの巨大な圧迫感。
私は立ち上がることもできないほどに挟まってしまい、お、折れる〜! という恐怖に駆られたそのときです。
なぜか急に圧力が弱まりました。
見ると、一番端に座っていた華奢なおばあさんがところてんのように、ポーン、と椅子から前へ押し出されていたのです。
信じられない光景に、その場にいた乗客はみな唖然。
おばあさんの隣に座っていた女性は立ち上がっておばあさんを介抱し、席を譲ると、元
凶の女性を睨みつけていました。
周囲の視線もみな彼女へ。
しかし、元凶のふくよかはまったく悪びれる様子もなく、平然としていました。
周囲に迷惑を掛けたにも関わらず、謝らないどころか、この状況を把握すらしていない感じで、バッグからスマホを取り出すと、何事もなかったように操作し始める有様。
私も隣から冷たい視線を送ったのですが、完全に無視。
傍若無人な態度に呆れました。
内心ムカつきながらも、あきらめて前を向く私。
向かい側の座席へ目を向けた瞬間、奇妙な光景が目に飛び込んで来ました。
座っている人たち全員が力んだ様子で、自身のおへそでも見るように下を向いていたのです。
よく見ると、わずかに肩がプルプル。
その理由はすぐに理解できました。
当事者の私たちは腹立たしくて仕方がありませんでしたが、向かい側から見た光景は、さぞかし可笑しかったのでしょう。
必死に笑いを堪える人々の姿を見て、思わず吹き出してしまいそうになる私でした。
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