<この体験記を書いた人>
ペンネーム:大家ぽん子
性別:女
年齢:65
プロフィール:65歳主婦です。猫と1歳年上の夫と暮らしています。寒い季節は猫がカイロ役になってくれます。
私の夫(66歳)と娘婿(40歳)は割と気が合うらしく、今では交流が盛んです。
でも、そんな2人も遠慮して空回りしていた頃がありました。
娘(39歳)が結婚してすぐ、確か9年前のお正月のことです。
娘と娘婿が2人で我が家に新年のあいさつに来ることになり、せっかくだから食事でも、と昼食の時間に合わせてお寿司を用意して待ちました。
結婚してまもない娘婿は、慣れない妻の実家で緊張している様子でした。
仕事ではこんなことをしている、学生時代の娘とはこんなことがあった、などと一生懸命話してくれます。
こちらも娘の小さいときのアルバムなんかを出してきて話を広げます。
話すことがないときは、アルバムがいい仕事をしてくれますね。
娘の小さい頃のエピソードなどを披露しながら、和やかな時間を過ごしていました。
さて、みんなでおいしいお寿司をつまんで、少しだけお酒を飲んだ後、なんとなく手持ち無沙汰になってしまいました。
帰るにはまだ早く、会話もネタ切れ。
みんなで何となくシーンとしながら、特に興味のない正月特番のテレビを眺めています。
私は「そろそろお開きにしましょうか?」と言おうかな、でもあんまり早く言ったら、早く帰れと思われている、と娘婿さんが気にしてしまうかしら...などといらぬ気を回しておりました。
すると、夫が急に立ち上がって「凧あげでもしようか!」と、自治会の行事で作った凧を持ち出してきました。
私の住む地区は凧が有名で、子ども会と自治会で一緒になって手作りの凧を作ります。
手製の凧は風情があってなかなかよいのですが、この寒さの中にわざわざ行かなくても...。
娘婿も気を使ってくれたのか、「いいですね! うわー、子どものとき以来ですよ。行きましょう!」とノリのいい返事。
私も娘も「お酒も飲んでるし、寒いからやめようよ」と言える雰囲気でなくなってしまいました。
実はこの日は寒波がやってきていて、雪がちらつき外は極寒。
外に出るだけでガタガタブルブルと震えてしまう程の寒さだったのです。
4人で連れ立って、歩いて10分ほどの凧あげのできる広場に向かいます。
いつもは子どもたちでにぎわう広場も、この寒空の下では1人もいませんでした。
引き返すわけにもいかず、みんなでガタガタ震えながら凧を上げました。
限界を迎えて皆で小走りに家に戻り、温かい部屋で飲んだ熱いお茶がどれだけおいしかったことか!
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