<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と二人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
先月、オーストラリアのブリスベンへ旅行した際の話です。
ブリスベンは川に面した小さな大都会といった感じの街で、ビジネス街やショッピング街、飲食店、公園などが徒歩圏内に集中しています。
川を挟んだ街の南側には、観覧車や人工ビーチなどが整備されたサウスバンクと呼ばれる憩いの場的なエリアがあります。
歩き疲れた私はこのビーチサイドで休憩していると、すぐ近くに白人の大きな体のパパと3歳くらいの双子と思しき娘2人の親子がいました。
オーストラリアで体の大きな人は珍しくもないのですが、小さな子連れというのが何となく新鮮で、自然と親子に目が行っていました。
パパはビーチチェアに腰を掛け、目の前の浅瀬にいる2人の娘と遊んでいました。
その遊び方がユニークなのです。
パパが小さなゴム製のアヒルのおもちゃを放り投げては、娘2人が競いながら取りに行き、パパの元へ返すというのを繰り返していました。
娘2人はパパと一緒に遊ぶのがとっても楽しそうで、キャッキャッという声が響いていました。
しばらく遊んで、水から上がって来た娘2人。
ここからパパさんの奮闘が始まります。
普段は、ママが手際よく娘2人の体をタオルで拭いてあげているのでしょう。
パパの前に並んで立っていましたが、しばらくしてもタオルで拭いてくれない状況に、子どもたちはやや困惑しているように見えました。
ビーチチェアから大きな体を起こすパパも、頭の中で手順でも考えているのか渋い表情。
まずは側に置いてあったビーチバッグをひっくり返し、中身をすべて地面にぶちまけました。
そしてタオルを手に取ろうとするのですが、ここでハプニング。
タオルに衣類の紐が絡まっているようで、なかなかタオルを広げることができません。
パパは焦っているのか「くそっ」とつぶやきながら、絡まった衣類とタオルを解こうと、ときおりビーチチェアに叩きつけます。
ちなみにその日の気温はやや低め。
体が大きいパパがいら立っている様子はなかなかの迫力です。
パパの「自分との闘い」は理解できますが、じっと待つ2人の娘たちはパパのいら立つ行動にやや怯えています。
「パパ怖い~」と、娘2人の心の声が聞こえてくるようでした。
奮闘の末、ようやくタオルを広げ、娘たちの体を拭いてあげることができたパパ。
「寒いよね~」みたいなことをつぶやきながら、大きな体で一生懸命に娘たちを拭いていました。
しかし、娘たちは終始眉間にシワを寄せるパパの顔を無表情でじっと見つめていました。
楽しそうに遊んでいたときとはうって変わって、不穏な空気で私までハラハラしましたが、どうにかタオルポンチョを頭から被せるところまで完了。
ようやく肩の荷が下りたのか、パパの雰囲気が一変。
眉間のシワが消え、やり遂げた感のある清々しい表情になりました。
両腕を広げると、片腕に1人ずつ娘をひょいっと抱き上げました。
さらに「ひゃっは~」とご機嫌な一声。
娘たち2人の顔にもようやく笑顔が戻りました。
やっぱり、明るいパパが大好きなのでしょう。
大きな体に嬉しそうに小さな腕を回し、顔を寄せる娘たち。
その姿にほっこりさせられつつ、心の中で「パパさん、お疲れさまでした」と呟く私でした。
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