アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「うちの主人は~」って知りません! 習い事の「親の会」に父親たちが強制参加を迫られて/かづ
小山さんは相変わらずスポーツクラブの練習のたびにパンやお菓子を持って来ていて、練習終了後の身支度の際に子どもたちに配ってみんなで食べていた。
最初は子どもたちが喜んでいるからと、周りのママたちもなかなか断れずにいた。
けれども次第に「今からお昼ご飯なのに...」やら「もう用意してきてるのに...」と陰でコソコソ言う声が増えていった。
私はと言うと、ご近所でなおかつ同じクラスで仲が良かったからか、たまに小山さんのお子さんが我が家に遊びに来ることがあり、その際に手作りのパンやケーキやお菓子を出していたので、ある意味お互い様として感じていた。
そして小山さんから頂いたパンなどを食べたとしても、息子は家に帰ってから昼ご飯を食べないという事も無かったので、あまり迷惑とは思っていなかったのだ。
ある日の練習日も、終わってから小山さんが一口パンを配っていて、私を含めたそこにいたママさんたちが皆小山さんにお礼を言った時、いつものように「いいの、いいの」と小山さんが答えた後私たちの方を向いてこう言いだした。
「あのさ、誰かから物を貰ったら家に帰ってから親に言うやんな?」
一瞬なんの話が始まったのか分からなかった。
多分一緒にいたママさんたちも同じだったと思う。
小山さんの顔つきが少し険しかったので、これはまた始まったか!と思った。
「この前参観日やったやんか。その時に○○さんや◇◇さんにも会ったのに何一つお礼なんか言うて来んかったんやで! 普通誰かに物貰ったら帰ってから親に言うやろ? あの子ら親に言うてへんのかな? 子どもから聞いてたらお礼の一つも言うやろ?」
スポーツクラブには必ずしも親が一緒に行かなくてはならない事は無く、コーチたちに出すお茶当番以外は基本的には子どもだけの出席でいい。
私も家の用事があったり忙しい時は、息子を送り出すだけで迎えに行くことも無い日がある。
小山さんの言う○○さんと◇◇さんは、練習試合ですら応援にも来ないことが多い人だった。
クラブとしてはあくまでも子どもたちのクラブなので、コーチをしてくれるパパたちは大歓迎だが、別段ママさんたちには毎回来てくださいなどは思っていない。
小山さんは「躾がなってない!」と怒っていたが、少なくともそこにいたママさんたちは1度でも小山さんにお礼を言っていてホッとした。
次に開かれた「親の会」の集まりでは、コーチをして頂いているパパさんたちも同席だった。
その日は練習試合やクリスマス会などのイベントなど決める事が多かったからだ。
あらかた決め事が片付いたころ、上級生ママたちから意見が出た。
「練習は毎回午前中だけなので、皆さんお家でお昼ご飯をご用意していると思うんです。ですから、子ども達はおなかが空いているとは思うんですが、なにか食べるのはお家に帰ってからってことにしませんか?」
「今までずっとそうだったですよね?」
「おなかすいてるんやから早く帰ってお家で食べて貰えば」
「ずっとそうでしたしね」
「いや食べるのは個人の自由やから、練習が終わった後にいつ食べて貰ってもいいんで、クラブを出てからにしてってことでね」
後で聞いた事だが、小山さんが毎回食べ物を持って来ていて子どもたちに配り、そのことで「お礼を言わない親がいる!」と言ったことが、回り回ってコーチたちの耳に入ったそうだ。
コーチはほとんどが練習生のパパさんなので、ママたちからの話しを聞いて「事が大きくなる前に」と「親の会」で話しに出す様にと一部のママに言ったらしい。
結局「親の会」の集まりで、「食事は練習後にクラブを出てから」と言うことが決まった。
小山さんはと言うと苦虫をつぶしたような顔をしていたので、いつまた切れるかと思ったらハラハラした。
おそらく小山さんが切れなかったのは、その場にご主人が同席していたので我慢したのだろう。
明らかに自分たちが子どもたちにしていることが話しに出たので、小山さんのご主人はずっと下を向いたままだったが、なぜこの場で話しに出さざるを得なかったのか、本当の意味をご主人は知らないんだろうなと、これまたママたちの間に噂が広まるのだった。
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