「ああ、型落ちのやつ...」と嫌そうな顔で言い放った電気店の店員。客の持ち物をそんな言い方で...！

3年前のことです。

某大型電気店のウェブショップでタブレットがお買い得だったので購入しました。

ただ、キーボードは別売りだったので、後日考えてから購入することにしたのです。

たまたま近くを通る用事があったので現物を見て買おうと思い、大阪の中心街にあるそのウェブショップの実店舗に入りました。

私が購入したブランドのPCだけが並ぶ売り場で「御社のウェブショップで購入したタブレットに対応のキーボードを探している」と機種ナンバーと合わせて店員さんに告げました。

すると、その方は新米さんだったようで、売場のチーフに「〇〇番ってこのキーボードに対応してますか？」と聞くと、そのチーフが嫌そうな顔で、斜め45度からこちらを睨みながら放った言葉が「ああ、あれ、型落ちのやつ」でした。

確かに、売り場には最新モデルだけを展示していましたし、型落ちが事実とはいえ、その言い草はなんなのか？　そして、その嫌そうな顔はどういう意味なの？

「3日前にアンタの店のウェブショップで購入したんやがな！」と心の中でツッコミました。

知識は豊富かもしれませんが、人間としての気配りが足りないのでは？

せめて「型落ち」ではなく「一つ前のモデル」でしょ？

チーフの嫌そうな顔と言葉で悲しくなりました。

キーボードはもうそこで買う気はしませんでした。

その大型店が好きで冷蔵庫、エアコン、テレビ、炊飯器、オーブン、電灯、電動アシスト自転車まで、まとめて買っていましたが、なんだか徐々に足が遠のき、今では別の店で購入しています。

3カ月ほど前にも、ある宝飾店へ修理のためにネックレスを持って行き「留め具の修理はお願いできますか？」と聞いたことがあります。

そこの店員はネックレスをマジマジと見ながら「うちは本モノの金しか扱ってないんで」と嫌そうな顔で言われました。

いや、だから、その嫌そうな顔はなんなのよ！

修理を断るだけなら「こちらの金具はお取り扱いしてないんです」と笑顔で言えば十分では？

その言い方では「金じゃない安物持ってくるな」と言っているようなもの。

「有名なクリスタルの会社のネックレスや！　メッキでも普通の金より高いねん！」

悔し紛れに心の中で呟きました。

私もアクセサリーは好きなほうですが、お金があっても一生ここでは買わないと心に決めました。

私自身、接客の仕事を始めた当初、何気なく、お客様を傷つけるような言葉を言ってクレームになり、始末書を書いた経験があります。

当時はそんな社員の一言でお客様の足がなんとなく遠のき、ついには消えてしまうなどとは思ってもいませんでしたが、今ならその気持ちも分かります。

スーパーでもなんでも、なんとなく心地よい場所に人は足が向くからです。

それほど接客業は奥が深いのではないかと思います。

ある宝飾店では、時計の電池を交換しただけでもクリスマスのカクテルパーティーの招待状が届きます。

いつかキャパシティができた時に買う顧客ヘ種を蒔く商売のやり方です。

私が出会ってしまった店員さんは、小さな顧客は無視しても良いと思ったのかもしれません。

でも「お客様の持ち物を蔑む店には未来永劫、商売の神様は微笑むことはない！」と私は思いたいのです。