「出世に影響するから」と上司が強制的にウォーキング活動を開始。その結果、社員の体調は...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:まるおじ
性別:54
年齢:男性
プロフィール:専業主婦の妻と大学生、中学生の子ども2人の4人家族の父です。子どもが同時に中学・大学に進学してお金も精神的な負担も大変でした。

「出世に影響するから」と上司が強制的にウォーキング活動を開始。その結果、社員の体調は... 54.jpg

2022年の5月に私の職場で起こった出来事です。

私の会社は昔からスポーツ活動支援に力を入れており、社員にもスポーツを奨励していました。

その甲斐があってか、私たちの会社は世間的にも健康管理が優れている会社と言われており、会社も社員もそれを誇りにしていました。

ところが、ここ2、3年の間に社員の健康診断結果が大幅に悪化してしまい、社内で問題となりました。

ちょうど新型コロナが流行したため、我が社でも在宅勤務が導入された時期です。

会社は、外出機会が少なくなり運動量が減ったことによって健康状態が悪化したのではと考え、社員に対して健康増進につながるアイデアを募集することになりました。

その結果、健康アプリを使ったウォーキング大会を実施する案が選ばれ、早速実行されることになりました。

そのイベントは1カ月間、毎日8000歩以上歩くことを目標に、職場単位で平均歩数を競争し、ランキング上位の職場には賞品を贈呈するものでした。

コロナのため社内のスポーツ大会が中止続きの中、みんなが集まらなくても職場メンバーで力を合わせることができる内容は、私の職場でも大変好評でした。

しかし、職場対抗の中間ランキングが発表されたあたりから、おかしな雰囲気になっていきました。

もともと会社は健康増進にやや力を入れ過ぎていて、管理職の間で「健康状態の悪い部下が多いと出世に影響が出る」とうわさになったこともありました。

今回のランクング下位の職場は、人事評価に影響が出るのではないかと、ざわつき始めたのです。

私たちの部は平均よりやや下の順位だったこともあり、それまで和やかだったウォーキング活動が突如緊迫したものとなってしまいました。

特に部長の焦りは相当なもので、何とかランキングの上位に食い込もうと職場メンバーにハッパをかけるようになりました。

私を含む中間管理職は、朝一番に職場メンバー全員の前日の歩数をチェックし、部長に報告することが日課となりました。

そして、歩数が少なかった人には部長から声がかかり、昼休みに会社の近所でのウォーキングに同行させられることになりました。

その結果、徐々に順位は上がったものの、他の部も同じようにして半強制的にウォーキングをさせるため、思ったほどの成果はでませんでした。

すると、今度は部長の声かけで公園に職場メンバーを休日に呼び出して、半日間部長と一緒にウォーキングをするようになりました。

このような歩数稼ぎのためのなりふり構わない部長の行動がプレッシャーとなって、職場のメンバーはストレスを感じるようになり、遂には体調を崩す者も出始めました。

耐えかねた職員が会社に苦情を言ったことで、ようやく職場対抗ランキングは中止となったのですが、本末転倒の状況にうんざりした気持ちになりました。

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