「明日嫁になる○○です」夫以外の家族が「初めまして」だった結婚式

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:abby
性別:女性
年齢:56
プロフィール:猫ラブ・ベジタリアン・夫は外国人。

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25年前、私は3歳年上の夫と5年の交際を経て結婚しました。

夫はイギリス人です。

当時、周囲には国際結婚をしている友人がいませんでしたので、どんなものか全く分かりませんでした。

違う国同士の二人が結婚してうまくやっていけるのかと不安はありましたが、夫からのプロポーズを受けることにしました。

そして、結婚式や披露宴はせずに役所で婚姻届を提出することに決めました。

少し説明すると、英国では2通りの婚姻方法があり、一つ目は英国教会などの教会で宗教上の結婚式を挙げる。

二つ目は、日本の役所のような場所で書類を提出する、です。

二つ目の場合、日本とは違って結婚登記官という役所職員が結婚の儀式を行います。

結婚の証人として2人の立ち合いとサインが必要で、宣誓とサインが終わり結婚の登記が終了すると、登記所から婚姻証明書が発行されます。

この儀式は個室で行われ、日本の婚姻届を役所の窓口に提出して終了、という簡潔な感じとは少し違い、厳かに行われる儀式感があります。

英国の両親(70代)に結婚の話をすると、日本の役所に一緒に行くと言っていたということでした。

英国とは違って特別な儀式は何もなくあっけない感じだと説明しましたが、それでもお祝いに来日すると言います。

遠方からせっかく来日してくれるのに、役所に婚姻届提出に同伴するだけでは申し訳なく、急きょ結婚式を挙げることにしました。

しかし、結婚式まで2カ月しかありません。

結婚式は知人の神主様にお願いして、神前式で挙げることにしました。

私は友人から着物を借り、夫は一人で京都に出向き羽織袴を中古で購入しました。

本人は満足していましたが、夫は腕が長いので、購入した羽織の裄丈が若干短かったのにはちょっと笑ってしまいました。

その他のいろいろな準備も友人・知人の助けのおかげで整えることができ、あっという間に式までの2カ月が経ちました。

いよいよ英国の両親が来日しました。

私は結婚式前日に初めてお二人にお会いすることになりました。

夫と二人で義両親の宿泊しているホテルを訪ねました。

夫が部屋のドアをノックするとき、私の心臓は緊張マックス状態、ドアが開くとそこには義母が笑顔で立っていました。

まず夫にハグをして、次に私を強く抱きしめてくれました。

義父も優しく私を迎え入れてくれ、結婚式前日に「初めまして。明日あなたの息子と結婚する〇〇です。よろしくお願いいたします」というなんとも不思議なあいさつを交わすことに。

義母は「明日が結婚式なのに今日初めて会うなんて、こんなこともあるのね」と大笑いしました。

当時、私は全く英語が話せませんでしたが、夫に教えてもらったあいさつの英語がなんとか通じたようでした。

義母はもともと英語圏外の出身で、英国人の義父と結婚してから英語を覚えたそうです。

「私もあなたと同じで、英国に行ったときは英語が全く話せなかったのよ。心配しなくても大丈夫よ」

そう言って緊張している私に微笑んでくれて、なんて優しいお義母さまなのだと感激しました。

翌日、結婚式の始まる数時間前に私の両親が地方から式場に到着しました。

今度は私が両親に夫を初めて紹介する番でした。

父(当時50代)は「よろしく!」と笑顔で言い、夫と力強く握手をしてくれました。

私は、父はあまりこの結婚には賛成していないと思っていましたので、あんなに喜んでくれた父の姿に心が温かくなりました。

神社側では雅楽や巫女さんの舞なども準備してくれて、今でも忘れられない一日となりました。

今あらためて振り返ると、この結婚式にあたってたくさんの「初めまして」が行き交ったユニークな時間になりましたが、多くの周りの皆様に支えられ当日を迎えることができました。

本当に感謝しかありません。

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