<この体験記を書いた人>
ペンネーム:むらまゆ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:専業主婦、時々働いています。夫は48歳会社員、息子は18歳専門学校生です。
2022年8月初旬、まだまだ残暑が激しい時期、夫が体験した話です。
ある朝、夫は朝の通勤電車で奇妙な人と遭遇しました。
早朝の電車に乗っていたその人は、全身黒づくめの服に肘まであるビニール手袋、二重マスク、花粉症用のゴーグルのようなメガネ。
さらに、帽子を深く被り、フェイスガードという出で立ちだったそうです。
用心深く新型コロナウイルス感染症の対策をしているのだと思うのですが、熱中症になりそうな装いです。
周りの皆さんもあれ? と思って警戒したのか、その人の隣の席だけが空いていたそうです。
疲れていた夫はそこに座りました。
夫は気管支喘息と慢性鼻炎持ちです。
時々咳が出ることがあり、座ってしばらくたって、ちょっと咳払いをしてしまったそう。
これがいけませんでした。
突然、その人はギロっと夫を睨みつけ、地団駄を踏むがごとく足をドンドンと鳴らし始めました。
睨みはまだしも、足を踏み鳴らす行為にびっくりした夫。
申し訳なさそうに縮こまり、「このご時世、咳払いの一つもできないのか」と少し悲しく思ったそうです。
その後、黒づくめの女性は、夫だけではなく同じ車両に乗り合わせている人が咳払いをするだけで当事者を睨みつけ、ドンドンと足を鳴らし続けました。
ほぼサラリーマンしかいなかったその車両は緊張感で張りつめ、夫は早く降車駅に着きたいと思っていたとか...。
「無理して隣に座る必要ないじゃない。他がいっぱいでそこだけ空いていたなんて、みんなそこには座りたくないって思ったからでしょ? なんで座ったの?」
夫に話を聞いた私はそう言いました。
「嫌な思いをするかなとは思ったけど、ともかく座りたかったんだ」
夫はとにかく疲れていたんですね...まあ、座りたい気持ちも分かりますが...。
すると、この話を聞いていた息子が言いました。
「7月の学校帰りの電車で僕も見たよ。一度見たら忘れられない姿だもん」
息子も夫と同様に咳払いをして睨みつけられ、嫌な思いをしたそうです。
まさか、親子で出会っていたとは...。
そしてその後、なんと私も出勤時に黒づくめの女性と遭遇しました。
あ、この人だ! と気づいた瞬間、即、別の車両に移りましたが...。
その人にもその人なりの理由があるのだと思います。
でも、意図せず出てしまう咳払いを抑えることは難しいのではないでしょうか。
ともあれ、暑そうな格好なので、その人が熱中症になっていなければいいなとは思いました。
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