<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りゅうこ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:筋トレにハマっている主婦です。最近の良いニュースは痩せたこと、悪いニュースは老眼が本格的に始まったこと。
10年前に祖父に他界されてから、私の祖母(86歳)は一人暮らしをしています。
祖母はまだ身の回りのことは自分でこなせますし、近所に住んでいる私の母(65歳)のフォローもあるので、なんとか問題なく過ごせていたようです。
しかし、そんな祖母を大きなトラブルに巻き込まれました。
それは、2021年のお盆のこと。
祖母の自宅に警察を名乗る男がやってきて「あなたのキャッシュカードが不正利用されている」と言いました。
普段から「詐欺なんか引っかかるわけあらへん」と豪語していた祖母は、一瞬でそれを詐欺だと見抜きました。
本音は、すぐにでも詐欺師を玄関から追い出したかったことでしょう。
しかし、下手なことをして逆上させてしまうと、非力な祖母はなすすべがありません。
そこで「キャッシュカードだけは渡してなるものか」と思いながら、相手の話に合わせていたそうです。
すると、相手は「不正利用されたキャッシュカードはもう使えないから封筒に入れて保管しといてくれるかな」と言い、封筒を渡してきたそうです。
祖母は「そうしておく」と言ったのですが、「今、目の前で封筒に入れるところを見せてほしい」と言われたので、わざわざキャッシュカードを部屋から持ってきて、詐欺師の目の前で封筒にカードを入れたそうです。
今度は「ハンコを押してもらわなあかんからハンコを持ってきてくれるかな」と言われたそうです。
これも祖母は言う通りにしました。
しかし、まだまだしっかりしていると言っても、祖母はもう86歳。
やはり判断力が鈍っていたのでしょうか。
祖母は、キャッシュカードが入った封筒を靴箱の上に置いて、ハンコを取りに部屋に戻ってしまったのです。
玄関に戻ってきてハンコを押したら詐欺師は帰っていきました。
察しの良い方はお気づきかもしれませんが、祖母がハンコを取りに戻っている間に、詐欺師の手によって封筒はすり替えられています。
詐欺師が持ち帰った封筒には祖母のキャッシュカード、そして祖母の手に残された封筒には5枚のトランプ。
祖母はすぐに気付いて警察に電話をしました。
急いでキャッシュカードの取引を中止したのですが、その間の30分で、しっかりと1日の引き出し上限額の50万円を引き出されてしまっていました。
これにはさすがの祖母も落ち込んでしまい、しばらく塞ぎこんでいました。
しかし、気付くのが早かったのは不幸中の幸いなのかもしれません。
騙されて「このキャッシュカードはもう使えないんだな」と封筒をそのまま放置してしまえば、毎日50万ずつ引き出されて、恐ろしい被害額になっていたからです。
とはいえ、50万は大金です。
これは普段から「詐欺なんかに引っかかるわけあらへん」と豪語する祖母が、実際に詐欺師がやってきたときも「これは詐欺だ」と気付いていたのに、その上で詐欺に遭ってしまったわけです。
みなさまも気を付けてください。
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