アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
【前回】生後7カ月の赤ちゃんを「買い物かご」に入れて...って、マジ!? ガサツなママ友の「衝撃行動」/かづ
【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ
午前中の家事もそこそこ終わった頃、近所のボスママ山下さんから「相談があるんやけど...」と電話があった。
以前年齢を聞かれた際に山下さんにも聞き返すと、私よりも10歳近く年上だった。
そんな年上の先輩ママが、私に相談するようなことがあるのかと不思議に思ったが、瞬時に「あ、これか? 以前あった違和感は?」と思った。
前に住んでいたところのボスママも、いろいろ根掘り葉掘り聞きだそうとしているときの顔が少しニヤケて楽しそうだったので、山下さんにも同じように感じたのだ。
「相談ですか? 私にですか?」
「ご主人保険屋さんなんやろ?」
「いえ、違いますけど」
唐突に「保険屋さんなんやろ?」と決めつけたような物言いは、たぶん夫が以前保険関係の資格を会社命令で取得した事を義母が言いふらしたのだろう。
「えっ? 保険屋さんやないの? でもお母さんが保険屋さんの資格取ったって言うてたよ?」
「その資格を取ったら代理店を開けるってだけで...。普通に営業マンです」
「あ! それなら代理店出来るくらいなんやったら詳しいよね?」
「詳しいかどうかは...」
私が資格を取った訳ではないので、夫が何に詳しいのかはわからない。
「とりあえずご主人に聞いて欲しいんやけど」
「あの...聞いてもお役に立てないかも知れませんけど...」
「あ、いいのいいの。それでやね、聞きたいのは交通事故の後遺症の事なんやけど」
ここから山下さんが一気に話す。
数カ月前に山下さんのご主人が交通事故に遭い、膝にケガを負ったらしい。
治療費や慰謝料などは保険屋さんを通じて相手と話がついたと言う。
では何の相談が?
保険屋さんが中に入って話がついたのであれば、これ以上何の相談があると言うのか。
「ご加入の保険屋さんにお聞きすればいいんやないですか?」
「それが、保険屋さんに聞いてええもんか聞きたいねん。請求出来るもんかどうか」
「後で後遺症が出たって事なんですか? それなら診断書とか出して、後遺症と判断されたら請求出来るんじゃないですか?」
「医者から診断書なんか出してもらえるんかなぁ...」
「診て貰って後遺症って判断されたら出るんじゃないですか?」
そんなんここに電話して聞くんやなくて、病院に行って診て貰えや!(心の声)
「それで、どんな後遺症なんですか?」
「言いにくいんやけど...」
歯切れの悪い山下さんに若干イラついてきた。
少しの沈黙の後、山下さんがこれまた話し出したことに私は呆れる事になる。
「ほら...、夜の生活の時に男の人が上になるやん?」
!!!何を言い出すのか!
「主人、膝が曲がらんで、痛くてあの体勢がとれんのよ」
.........。
「それって後遺症で慰謝料請求出来るんちゃうかと思って」
山下さんの声がイキイキしていた。
とりあえず夫に聞いてみると言って電話を切ったが、一旦深呼吸して落ち着くことにした。
まだ2~3カ月の付き合いで、普通そんなこと相談する?
第一、それが請求対象になるかどうかを判断するのは、結局のところ加入している保険屋さんなんだから、直接聞けば早いのに。
案の定、夫に聞くと内容が内容なだけに驚いた表情になり、真顔で答えた。
「請求できるかどうかは保険屋の判断やからなぁ。夜の生活が出来るかどうかで請求するんやなくて、膝が曲がらんのやろ? 痛くて? それで後遺症で請求したらええやん。なにもわざわざ夜の生活が出来んって言わんでも」
ごもっとも(笑)
翌日こちらから掛けるまでもなく、山下さんから電話が掛かってきた。
「ご主人どう言うてた?」
私は夫から聞いた通りを説明した。
「夜の生活の姿勢がどうとかって言うよりも、そもそも膝が曲がらなくて痛いんですよね?それってそれだけで十分後遺症やないですかね? まずはリハビリをして、それでも治らないって診断されたら後遺症って認定されるんじゃないですかね?」
「!!あ、そうやね!」
山下さんは気が付いたように声を出した。
「ご、ごめんなさいね...。ご主人によろしくね...」
そう言って山下さんは電話を切った。
こんな電話をしたからには、当分山下さんから私への接触は無いだろうと思ったが、そんな思いとは裏腹に、数日後また山下さんから電話が掛かってきた。
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