<この体験記を書いた人>
ペンネーム:なんとも
性別:女性
年齢:54
プロフィール:私+夫+高3長男+高1長女の4人家族。美容院にはなかなか行けず髪が伸び放題の日々です(笑)
50代半ばの主婦です。
今から約4年前、長女が小学校高学年の頃の話です。
小学生になってから、長女はオシャレに目覚めて、服や髪型にもうるさくなっていきました。
当時大人気だった某アイドルグループの大ファンで、その髪型を真似て、学校に行くときはいつもそのヘアスタイルで登校していました。
全体的にはロングヘアで、両サイドの髪を一房ずつ、顔の横に垂らして顔を小さく見せる髪型、と言ったら分かるでしょうか?
そんなこんなで長女のオシャレライフは順調かと思われたのですが...。
ある日のこと、長女がベソをかいて学校から帰宅しました。
「もう、この髪型やめる! 短くする!」
「どうしたの?」
長女のクラスにS子ちゃんという、少しクセのある子がいて、その子が長女の髪型をからかったそうです。
「何、あれ? 変なのぉー!」
「アイドルのマネ?」
S子ちゃんは、根は悪い子ではなかったのですが、気に入らない子には軽い無視や悪口とか、意地悪なことをするのです。
特に人の容姿はこれでもかとイジってくるのです。
じゃあ、そこまで人の容姿をイジるS子ちゃんが、漫画で出てくるような「いじわるな美少女」と言われれば...うーん...背が高くて恵まれた体格の持ち主でした。
「S子ちゃん、大っ嫌い...」
長女はグスグスとベソが止まりませんでした。
私だって面白くありません。
たとえ相手が小学生でも、自分の娘が貶されるのはイイ気持ちがしませんでした。
結局、すっかりヘコんでしまった長女はロングヘアをばっさりとカット。
心機一転、ショートボブヘアにチェンジしました。
親の欲目かもしれませんが、こっちの方がすっきりしていて、長女には似合っていました。
それから数日後。
長女が今度はプリプリと怒りながら、学校から帰宅しました。
「ちょっと! お母さん! 聞いて!」
「ん? 何かあったの?」
興奮しながらしゃべる長女の話を要約すると...。
例のS子ちゃんが、散々貶した長女の髪型をちゃっかりと真似して、シレッと学校に登校したそうです。
「絶対にアレは似合ってない! みんな、そう言ってたもん!」
「...もう、S子ちゃんのことは放っておきなさい」
私はプリプリ怒っている長女を、なだめすかすしかありませんでした。
そう言えば、S子ちゃんも肩まであるセミロングヘアだったな...。
彼女の顔を思い浮かべるとモヤモヤが止まらなくなるので、私も極力気に留めないように努めました。
そして、ある日の保護者参観日。
見慣れた教室に入り、私は長女の姿を目で追いました。
長女は真ん中あたりの席。
後ろから見てもショートボブヘアはすっきりしていて正解だったと思います。
そうだ、問題のS子ちゃんってどこだろうと、私は彼女を探し始めました。
S子ちゃんは背が高いのですぐ分かりましたが...髪型に違和感...。
パーマをかけたようなのですが、かなりバサバサになっており、膨らんだ状態。
後ろで参観していた保護者たちも、注目せざるを得なかったようでヒソヒソが止まりません。
S子ちゃんの母親は見当たりませんでした。
帰宅後、長女にS子ちゃんのことを聞くと、同級生たちも驚いていたようです。
「みんな、びっくりしてたよ! 昨日まで何ともなかったのにさ!」
どうやら、S子ちゃんは流行りの「ゆるふわヘア」を目指したものの、パーマ後のスタイリングが上手くいかず、あの惨状になったようです。
S子ちゃんの母親も同じ性格なのか、娘がかわいくなれるなら!とパーマを許可したとのこと。
しかし、小学生女子には「ゆるふわヘア」の難易度が高かったのです。
それまでS子ちゃんの悪口が絶えなかった長女ですが、その日を境にぱったりと彼女の話題は消え、私もいつしか彼女のことはどうでもよくなっていました。
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