<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:60
プロフィール:地方都市の役場に勤める60歳の男性です。地区の共同作業は務めとは思っているのですが、システムに納得がいきません。
私が今の地区に住み始めたのは約30年前、妻(58歳)との結婚を機に家を建てたのが始まりです。
周囲には果樹園や田畑が点在する里山集落で、子どもを育てるための環境としても気に入っての決心でした。
よそ者扱いされることもありますが、おおよそ住みやすく、気に入っている地区です。
「ああ、またこの季節か...機械のある人だけで済んじゃうんだから...」
毎年6月から8月にかけて、2、3回の共同の草刈り作業があります。
私も住み始めて数年は、慣れない手に草刈り鎌を持って参加しました。
「ああ、危ねえから、あっちの隅んとこだけ刈っといてな」
ほとんどの参加者は草刈り機を持っているので、手作業部隊は2、3人、申し訳なさそうに大勢に影響のないところを作業するばかりでした。
もともとこの草刈りは、農業従事者が共同で田の畦や用水路際を刈る目的で行われてきたものだそうです。
昔はほぼ100%が農家でしたので、地区全員参加で何の問題もなかったのでしょう。
しかし、今となっては田に関わりのない人も少なくありません。
ましてや、プロのような人たちが機械で一気にやってしまうのを邪魔しないようにしているだけの手作業は、あまりにもばかばかしいものでした。
この作業、草刈り機を持って参加した人には、油代と称して毎回1000円程度が支払われるのですが、この財源は地区の区費(町内会費のようなもので全戸が負担しています)です。
したがって、農業に全く関係していない人たちも全員が負担していることになります。
しかし、作業自体は本来、田畑の管理に当たるものですから、これはおかしいのではないかと思っていました。
住み始めてから数年後に、順繰りで回ってくる地区の役員にあたりました。
このとき、気になっていたこのことを地区の役員会で話してみたのですが、周囲の反応は冷たいものでした。
「昔から決まっていることだからなあ」
「田畑のことは地区全体の問題でしょ?」
「本来は共同作業で全員参加すべきなんだから、参加しない人は不役料を取るべきなんだよ、その代わりってことさ」
一斉に否定され、検討さえしてもらえませんでした。
当然、手作業の人には何も支払われていません。
作業に参加しても「不役料」を取られているわけですから、食い下がりました。
「不役料と言うなら、手作業で出ている人に何も支払われないのはおかしいんじゃないですか? 欠席の人も手作業の人も同じ扱いというのは...」
「機械使ってないんだから金かかってないっしょ! なんで払わなきゃなんねえの?」
一笑に付されて終わりでした。
参加しても、欠席しても区費という形で「不役料」は取られ続けているわけで、だったら参加しない方がましだ、と思いました。
もともと農業従事者でやるべき作業を、前例踏襲で全員参加を前提としていることにも疑問です。
そんなわけで、それ以後は欠席しています。
今年も区費から油代を出す予算案が出ていますので「不役料」を取られることになります。
実際作業に参加していないので、私の言い分も間違っているかもしれません。
しかし地区の就労環境も変化しているわけですから、共同作業の見直しや費用のあり方などを見直していく必要はあると思います。
そういうことを一顧だにしない雰囲気には納得がいかない思いでいます。
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