「迷惑な路上飲み」の若者と思いきや違う...? 不思議な感動を覚えた3人組の行動

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:42
プロフィール:夫と二人暮らしの主婦です。

「迷惑な路上飲み」の若者と思いきや違う...? 不思議な感動を覚えた3人組の行動 15.jpg

約10年前の出来事です。

当時住んでいた地域では、夜に若者が駅前やコンビニ周辺にたむろして飲み会をする、いわゆる路上飲みが問題になっていました。

夜遅くまでうるさい上、若者が去った後は空き缶やタバコの吸い殻のゴミだらけ。

酔った勢いで帰宅途中の若い女性に絡んだり、ケンカを始めたりする迷惑行為もたびたびあったようです。

地元の人たちで定期的に見回りをしたり、若い人にしか聞こえない周波数の音を流したりなどの対策も考えられていたようですが、解決にはいたらず、私たち地域住民は困っていました。

そんなある週末の夜のことです。

仕事帰りに家の近くの定食屋さんに行こうと駅近くを歩いていると、20代前半くらいの若者男女三人組が路上に座り込んで路上飲みをしていたのが目に止まりました。

一瞬「またか、迷惑だな...」と思いましたが、その3人組はふだんの路上飲みで見かけるような若者とは雰囲気がかなり違い、妙な表現ですが、真面目に飲んでいる感じでした。

それに、3人組が座り込んでいる場所は広い場所ではなく「なぜそんなところで?」と思ってしまうような交差点近くのかなり狭いスペース。

そこに無理やり座っていました。

時間はまだ夜7時台で、駅前も人で賑わってる時間帯。

いつもだったら、街の人通りがまばらになる夜遅くにどこからともなく若者が集まってきて路上飲みが始まります。

こんな早い時間から始まる路上飲みは見たことがありませんでした。

「何かがおかしいぞ...」

気になった私がしばらく様子を見ていると、3人組のそばに写真立てと牛乳瓶に入った花束があったのが見えました。

「あ、なるほど、そうだったんだ!」

3人組は、その場所で亡くなった友人の弔いをしていたのでした。

そういえば、この近くで以前交通事故があった話を聞いたことがありました。

真相が分かった私は、なぜか安心したような温かい気持ちで定食屋さんに向かいました。

食事を終えて定食屋さんから出ると、ちょうど3人組が帰り支度をしていたところでした。

彼らは自分たちのビールの空き缶やお菓子の袋などを片付けただけではなく、落ちていたゴミも拾ってその場をきれいにしていました。

そして、最後は3人そろって手を合わせて帰っていきました。

最初は迷惑な路上飲みだと思っていた若者たちでしたが、亡き友を思う優しい気持ちと礼儀正しい態度に、思わず感動してホロっとしてしまいました。

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