<この体験記を書いた人>
ペンネーム:9周年!
性別:男性
年齢:42
プロフィール:IT系企業に勤務する42歳の営業マンです。
今から約5年ほど前、私(当時37歳)の娘が小学6年生(当時12歳)だった頃、小学校の卒業式での出来事です。
式の中で卒業生が小学校での思い出を振り返り、一言ずつ順番にメッセージを述べていく場面があります。
その場の思い付きで述べるのではなく、あらかじめ決められたセリフを自分の番が来たら発信するものです。
昔からある、ある意味伝統的なもので、卒業生の見せ場とも言える場面です。
私はビデオ撮影をすることにしていたので、あらかじめ娘が何番目にどのようなセリフを言うのか聞いていました。
いよいよその場面がやってきました。
みんな順調にセリフを言うことができ、私の娘のセリフも無事に終わりました。
ビデオもちゃんと撮れただろうとほっとしていた矢先のことでした。
娘から数人後のところで、セリフがピタッと止まってしまったのです。
少しの沈黙の後、周りがざわざわとしてきました。
私も「誰かセリフを忘れたのかな?」と思っていたところ、少し遅れて私の娘がセリフを言い、その後は止まることなく最後まで流れていきました。
「おいおい。娘がセリフ忘れてたのかよ!」と思ったのですが、あらかじめ娘に聞いていた順番、内容と違っていました。
「誰か休んでいて、娘が代わりにセリフを言うことになっていたのだろう」
そう推測しました。
帰宅後、その日撮影したビデオを家族で一緒に観ながら、私は気になっていたセリフが止まったところの真相について、娘に聞きました。
すると「友だちが感極まってセリフを言えなくなっているのが見えたから、代わりに言ってあげたの」との返答が!
その友だちが、式の後で感謝してくれたことも聞きました。
私はとても驚きました。
一緒に生活しているから気づきませんでしたが、娘は小学校6年間を通して視野が広がり、人を自然に助けることができるようになっていたのです!
私は驚き、感心すると同時に、自分が小学校の頃、同じ場面に遭遇したらこんなことができただろうか?と自問しました。
きっと「先生早くなんとかしてあげてよ」とか「誰か近い人が助けてあげればいいのに」と思ったに違いありません。
私は卒業式では泣きませんでしたが、この話を聞いて感動して思わず泣いてしまいました。
小学校最後の日、娘の確かな成長を感じられた忘れられない出来事です。
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