<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:54
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。
今年54歳になる兼業主婦です。
職場での話で、私と同じ部署に私より少しばかり年上のAさん(60歳)という女性のスタッフがいました。
Aさんは勤続年数も長く、昔からとても面倒見がよい人で、周りのことをよく見ながら仕事をされて周囲からは「縁の下の力持ち」と評判でした。
新卒で入ってきた人たちからも「優しく丁寧に仕事を教えてくれたり、相談を聞いてくれたり、職場のお母さんみたいな人」と好かれていました。
しかし、今では役職もついていて、さして生活に不自由なさそうなAさんですが、幼少期は実家が貧しくて苦労したようでした。
職場の休憩時間にたまたま自分たちの子どもの誕生日に何をプレゼントしたらいいのかという話になったときに、こんなことを話してくれました。
「私のうちは昔は貧乏だったから、誕生日にぬいぐるみとか買ってもらったことがないのよ」
「でも当時、親が苦労していることはなんとなく分かっていたから、自分から欲しいとも言い出せなくてね。もらっている子が本当にうらやましかった」
少し寂しそうに話すAさんに、私は誕生日に何か贈ってあげたいなと思いました。
その場にいた職場のみんなも同じように思ったようで、次のAさんの誕生日にみんなでプレゼントを渡そうという話になりました。
Aさんに誕生日をそれとなく聞くと、幸いにもちょうど1カ月後だったので、サプライズで驚かそうという運びになりました。
そして誕生日当日、Aさんのデスクにはとびきり大きなぬいぐるみがリボンをかけてのっかっていました。
その光景に笑い出す人もいれば、Aさんが一体どんな反応をするのかとソワソワするスタッフもいました。
そして出勤するなりAさんは、そのぬいぐるみを見て目を丸くしていましたが、すぐに「Happy Birthday」というカードに気が付いたようで「誰が用意してくれたのっ?」とぬいぐるみに飛びつきました。
「私、誕生日にこんなぬいぐるみとかもらったの初めて!」
とても喜んでくれたAさんに、職場のみんなからだと伝えると、Aさんはその場で号泣!
「私、昔から自分の誕生日にこんなぬいぐるみが欲しかったの。夢を叶えてくれてありがとう!」
そう言って小柄なAさんと同じくらいあるぬいぐるみを抱きかかえていました。
いつも冷静に仕事をこなしている落ち着いた印象のAさんからは想像できなかった姿です。
帰宅時に大きなぬいぐるみを嬉しそうに抱いてタクシーに乗り込む姿を見て、こちらまでほっこりしました。
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