<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くもりのち晴れ
性別:女性
年齢:65
プロフィール:78歳の夫と2人暮らしの会社員です。
やっと暖かくなり始めた2022年の春、義妹(弟の妻、40代)から私に一本の電話が入りました。
私には母親違いの年の離れた40代の弟がいて、一緒に暮らしたことはないのですが、彼が結婚してからはちょくちょく我家に訪ねてくるようになりました。
弟は特に雄弁でもなく、いつも義妹がしゃべるのを黙って聞いているような子でした。
義妹から電話が入ったときは新型コロナウイルスのワクチン接種日だったので、その旨を伝えると「では、後日伺います」となって電話を切りました。
翌週になって弟と義妹が連れだって我が家に来ました。
弟たちは結婚して15年ぐらいになるのですが子どもはいません。
ですが、見ていてとても仲睦まじいようです。
いただいた手土産と、用意していたお菓子を広げて話は弾んでいました。
すると、突然義妹が背筋を伸ばして言いました。
「この度こうちゃん(弟)と相談して家を新築することにしました。小さな家でそんなに大金はかからないのですが、頭金が足りません。義姉さん出していただけますよね」
当然のようにおねだりしてきました。
「私たちも老夫婦2人の生活を維持するのがやっとなのよ、出してあげたいのはやまやまだけど、とても無理よ」
図々しいお願いに驚きましたが、やんわり断りました。
すると、義妹は不服そうにすっと腰を上げて立ち去りました。
大人しい弟は、おろおろしながら義妹の後ろをついて出ていきました。
弟たちは頻繁に引越しをしていて、その度に敷金や、運送費用など数十万単位で援助していたので、自宅を構えればそのお金は必要なくなるのですが、私の蓄えも知れたものです。
だからといって、弟からすれば義兄に当たる、年金生活の夫(78歳)が頭金を負担する道理もありません。
そもそも、年が離れているとはいえ、私は弟の母親ではありません。
しかも、私は実家を離れて他家に嫁いでいます。
私たちより若くて共働きで、収入も多いはずなのに、なぜか義妹からは「弟や義兄さん(私の夫)には内緒にしてほしい」と前置きした上で、さまざまな援助の申し入れがあります。
事の経緯を知らない弟は冷たい姉だと思ったかもしれませんが、今さら過去のことを持ち出して弟夫婦の仲が険悪になるのも嫌なので、口にチャックをしておきました。
見かねた優しい夫が「ご祝儀ぐらいは弾むからね」と、玄関を出ていく弟夫婦に声をかけていました。
しかし、夏になる頃には我が家を訪ねてくる回数も減っていました。
秋には完成するらしいのですが、お金は大丈夫かしら?と余計な心配をしています。
しかし、我々の老後の生活のために子どもに負担をかけたくないので、心を鬼にしようと思っています。
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