<この体験記を書いた人>
ペンネーム:なんとも
性別:女性
年齢:53
プロフィール:夫+長男17才+長女15才+私の4人家族です。文中に登場するチビッコ長男は、無事に私の身長を越えました。
私は50代主婦、これは今から10年くらい前のことです。
当時、小学校低学年だった長男の同級生にA君という子がいました。
A君は悪い子ではないけれど、私的にはなんかモヤモヤする子でした。
とにかくウチに遊びに来たがる、お菓子や飲み物を出してもお礼ナシ。
そして、なかなか帰らない。
A君母が迎えに来ても「まだいるっ! まだいるっ!」と盛大に駄々をこねる。
A君母は当時30代半ばくらいで、おっとりというか、若干天然気味なのか、叱らずに「えー」と言うばかり。
それでもA君は長男と仲良しなので、私はユルい目で見守っていました。
そんなある日。
またいつものように、我が家で息子とA君が庭でワイワイ遊んでいたら、いつのまにか水やり用のホースを引っ張ってきて、水のかけあいをしていました。
小学生男子のやることなので、容赦ありません。
案の定、2人とも全身ずぶ濡れ。
さすがに私は放ってはおけませんでした。
私は2人に濡れた服を脱ぐように伝え、A君の濡れた服はレジ袋に入れておきました。
着替えをどうしようかと迷いましたが、仕方ないので長男の服を貸すことにしたんです。
ただ、当時A君はめちゃめちゃ体格が良く、逆にウチの長男はチビな方でした。
服のサイズが合うわけありません。
だけど、たまたまでしたが大きめのTシャツとズボンをセール品で買ったばかりだったのです。
長男にはブカブカすぎるので、今のところ出番はなさそうだし「まっいいか」と貸してあげました。
それでも、A君が着るとぱっつんぱっつん。
まぁ、今はコレしかないもんね! と、私は何も考えていませんでした。
そして、帰る時間になり、A君母が迎えにやって来ました。
私はA君母に濡れた服を渡す際、水遊びでびしょ濡れになった事を説明して「今A君が着てる服、お返しはいつでもいいですよ」と、伝えました。
A君母は「お世話になりましたぁ」とお礼を言ってくれましたが、それから、何事もなく数日経過。
服は返ってきません。
長男に聞いても「さあ?」と言うばかり。
もうすぐ参観日だったので、そのときにでも学校でA君母に聞いてみようと思ったんですが...。
参観日当日、私はヘタレでした。
A君母は仲の良いママ友グループで盛り上がっていたので、私は話しかけることができませんでした。
そもそも、私とA君母は子ども同士が仲良しなだけで、会えばあいさつ程度の間柄。
「返してー」なんて気軽には言えませんでした。
悶々とした私は夫に愚痴ったのですが「服の1枚や2枚あげたら? どうせセール品だろ?」とお気楽な調子。
確かに量販店のさらに格安セール品だったけど、私はなぜか惜しくて仕方なかったんです。
だって、A君が着るとぱっつんぱっつんになる服...。
彼には無用の長物だけど、息子ならこれから先も着られるのに...そう思うと、私はやるせない思いでいっぱいでした。
そしてさらに数日経過。
A君がまた我が家へ遊びにやって来たのですが、なんとあのとき貸してあげた服をそのまま着て来たんです。
返しに来た、という感じではないのは明らかでした。
Tシャツの襟首はカサカサ、胸元はカレーでも飛ばしたのか黄色いシミが...。
ズボンのお尻回りはぱっつんぱっつん、膝はイイ感じに擦り切れて...。
長男も貸した服のことなんか、もう覚えていないようでした。
呆気に取られる私に構わず、嬉々としてゲームに没頭する2人。
もう、いいや...と思うしかありませんでした。
A君はその後、市外へ転校してしまったので、それからどうなったかは分かりません。
もちろん、貸した服はいまだに返ってきていません。
A君親子にモヤモヤしているのは当然ですが、「返して」と言えなかった自分にもモヤモヤ。
10年たっても割り切れないんです。
学んだこととすれば...「貸すならあげること」「いつでもイイはNG」ですね!
人気記事:《漫画》「ごはん食べたい」帰りたがらない小4娘の同級生。家族の連絡先を知らないのに困る!<前編>
人気記事:《漫画》「マスクちょうだい」と厚かましい友だちが毎日娘につきまとう! え、親も共犯!?<前編>
人気記事:ああぁ、長女の制服に「シミ」が...! 諦めかけた私を救ってくれたのは...?《中島めめ》
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。