<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りゅうこ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:先日、誕生日を迎えました。充実した40代を送りたい!
「お前にはサタンが憑いている!」と罵られたことはありますか?
私はあります。
とある商品を売る営業をしているのですが、営業をしているといろいろなお客様と出会います。
もちろん、ほとんどが常識的な方ばかりですが、中にはお世辞にもそうとは言えない方もいるわけです。
2020年の夏のことです。
はじまりは「お前から買った商品が不良品だった! 今すぐ謝りに来い!」というクレームの電話でした。
顔がさっと青ざめたのが自分でも分かりました。
営業の仕事は、ビルの街並みを颯爽と歩くようなスマートなスタイルもあるのでしょうが、私はそうではなく、小さな町工場で営業を担当しています。
お客様の評判一つが社運を左右することだってあります。
私は大慌てで、お客様の庭付きの大きな一軒家に伺いました。
インターホンを押すと「入れ!」と言われたので、その通りにしました。
お客様は60代の女性でした。
まず、私は「商品を見せていただけますか」と言いました。
すると、お客様は「商品には何の問題もない!」と首を振りました。
私は混乱しました。
「商品が不良品だったから謝りに来い」
そう言ったのはお客様です。
すると、お客様は話し出しました。
「お前の営業姿勢が悪いからクレームを入れたんだ!」
内容が変わってしまったと思いましたが、お客様に不快な思いをさせてしまったのは事実であろうと反省して、私はその件に関しては誠心誠意を込めて謝罪しました。
しかし、問題はそこからでした。
「お前のせいでこの商品は邪気に汚れてしまった! だから新しいのをよこせ!」
そんな理由で...このあたりから「強烈なお客様だ...!」と思いました。
私は深呼吸をして「それでは新しい商品を用意しますので、以前の商品は引き取らせていただきます」と言いました。
すると、お客様はこう言います。
「邪気に汚れた商品はうちの神棚に飾る!」と。
ポカンとしました。
えっ、それではお客様の手元に商品が2つあることになってしまうではないか!?と愕然としました。
そんな滅茶苦茶な道理がまかり通って良いわけがありません。
しかし、うちは小さな町工場。
迂闊に断って悪いうわさを流されると困ります。
社長と話し合った結果、お客様には2つ目の商品をお渡しすることになってしまったのでした。
このお客様とのお付き合いはその後も続きます。
うちの商品はアフターフォローが必要なので、お客様のご自宅に何度も足を運ぶのですが、そのたびにスピリチュアル? 宗教的? な難癖をつけられました。
「お前にはサタンが憑いている! 洗礼を受けろ!」
「お前の勤める工場が放つ邪気こそが、治安を悪くしている原因だ!」
もう散々な言われようでした。
ちなみに、最初にお渡しした商品はずっと神棚にありました。
使っている気配はありません。
そのお客様は商品を2つ欲しかったわけではないのです。
サタンに憑かれた私を、何とかして救おうと懸命に頑張っていたようです。
少しでも得をしたくてクレームを入れるお客様。
鬱憤晴らしをしたくてクレームを入れるお客様。
いろいろといらっしゃいますが、暴走した正義感からクレームを入れるお客様ほど恐ろしいものはないと思わされた、ゾッとする出来事でした。
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