「借りパクされるとこやったわ~」と大声で吹聴するボスママ。たった2日借りてただけなのに?/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか?

私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。

※登場人物はすべて仮名です

【前回】「昨日の晩御飯何やったん? 端から順に言うていって」ボスママが企てた恐怖の献立聞き取り会/かづ

【最初から読む】アッシー・メッシー・貢君だった彼が突然父に結婚の挨拶! 夫との馴れ初め/かづ

「借りパクされるとこやったわ~」と大声で吹聴するボスママ。たった2日借りてただけなのに?/かづ pixta_6902991_S.jpg

集合住宅のボスママ、山本さんが貸してくれたレシピ本は数年前に発行されたもので、表紙も若干日焼けをしていた。

しかし本の中身がきれいだったので恐らく彼女自身はこれを見て作った事は無いんじゃないかと思った。

そしてこれがまた、小難しいスパイスや食材を使っている料理が多かった。

今ならメジャーなスパイスも、当時は「それ何?」という物が多く、これは後で何を作ったのか聞かれるんだろうなと思った。

けれども、それならそれで正直に「自宅に無いスパイスが多かったので」と言えばいい。

自宅に帰ってからそのレシピ本をよく読んでみると、単純に塩胡椒や生姜・にんにくで代用できるものもあったので、日頃から記録していたレシピノートに書き写す事にした。

今ならコンビニなどでサッとコピーできるが、何度も言うように当時は金銭的にそんな余裕が無かったので、手書きで写した。

家事や子育てで忙しい中、時間が出来次第ちまちまと書き写していた。

2日後、いつものように中庭に子どもと一緒に他のママさんたちといたところ、山本さんが走り寄ってきた。

「かづさん! 料理の本いつ返してくれるの!?」

私はびっくりした。

「すみません。手書きでレシピを写してるので...」

またもや言い終わる前に怒鳴り口調で言われた。

「人に物借りといていつまでも返せへんという事は盗んだのとおんなじやで! 忠告しといたるけどな! あんた人に嫌われるで!」

まだ借りて2日しか経ってないのに?と思った私が甘かったのか。

それとも、そもそも山本さんに借りたのが悪かったのか。

私はすぐさま家に帰って本を取り、中庭にいる山本さんに返した。

「うかうかしてたら借りパクされるとこやったわ~(借りパク=借りたまま盗られる事)」

この瞬間が狙いだったんだなと気が付いた時には既に遅しだった。

その後、立て続けに不審な事が続いた。

ごみステーションの掃除当番でモップやブラシを洗ってロッカーに片づけたにも関わらず、なぜか全部裏にばらまかれてあり、管理人さんから注意を受けた。

集合郵便受けの中にはごみが投げ込まれ、郵便物が汚される事もあった。

色んな嫌がらせが続いたが、心当たりは一人しかいない。

けれども証拠が無いので言いに行くわけにもいかない。

もちろん防犯カメラなども無い。

私は中庭で山本さんもいる時に「こんな事が続いてる」と一つ一つ説明しながら皆に言うと、皆が皆一瞬絶句し、中には山本さんに目をやる人もいた。

その中で一番に口を開いたのは山本さんだった。

「いや~そりゃ気の毒やったね~。誰がしよるんやろか~?」

周りのママたちの不安そうな心配そうな顔つきに反し、山本さんの目は嬉しそうだった。

その帰り、私はエレベーターホールで一緒になった上田さんに「私、そんなに山本さんに恨まれるような事しましたかね?」と聞いた。

すると上田さんは考える間もなく「ん~、あれと違う?」と即座に教えてくれた。

「大分前に山本さんが新しく出来た喫茶店にみんなでお茶しに行こうって言った事があったやない? その時にかづさんだけが行かないって言って、それを『なんで?』て山本さんが聞いたやん。そしたらかづさんが『将来家を買うから貯金せなあかんから』って言うたでしょ? 山本さん、あの後喫茶店で『そしたら早よ出て行け!』って言うてたんよ。山本さんは一生ここにいるつもりらしいから」

なんと! えぇぇぇ...。

当時私は夫が突然家を買うと言い出したので、ただでさえ少ない家計の中から家を買う頭金を作る為に爪に火を点す思いでお金を貯めていたのだ。

「実は内緒やけど、私もけんとくんママも、子どもが小学校に上がる前には家を買いたいからお金貯めてんねん。一生ここにはいてへんよ。山本さんは『金金言うてたら子どもの教育上良くないわ!』って、お金は全部レジャーや買い物で使いきってんねんて。そりゃそんなにお金使ってたら、出て行かへんのやなくて出て行かれへんの間違いやないのって(笑)」

私は知らず知らずの内に、山本さんの癇に障るネタを投下していたようだ。

山本さん的には、言う事は聞かない上に生意気にも家を買うだと?とでも思ったんだろう。

嫌がらせをされてもどこ吹く風と無視していたら、いじめ甲斐が無いと諦めるという話を聞いた事があるが、逆に相手が潰れるまであの手この手と嫌がらせを続けるタイプもいる。

大人でもこんな人がいるのだから、そりゃあ子どものいじめが無くならないのには納得がいく。

私は姑からの嫁いびりと戦いつつ、ボスママの嫌がらせと戦わなければならず踏んだり蹴ったりだったが、入居後2年半で頭金を貯めマンションを買った。

山本さんにだけ内緒にしたままで引っ越した。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP