20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
「細かく分類する」「端を揃える」「統一感を出す」が苦手な中道あんさん。「さっき、あった伝票が消えてなくなった!」とひとりで大騒ぎすることもあり...
【前回】愛犬との暮らしのためでもあった55歳でのキャリアチェンジ。でもいつの間にか忘れていたこと
【最初から読む】仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん
私は、料理をするのは得意ですが、整理整頓が苦手です。
SNSなど見ているとキチンと整えられたキッチンの引き出し。
寸分の狂いもなく整然と並べられているカトラリーを見ていると、感心する一方で胸が苦しくなります。
それは、自分が大雑把な性格で「細かく分類する」「端を揃える」「統一感を出す」というようなことが苦手だからです。
自分はこんな風にしたいのだけれど、出来ないという自分を責めるような気持ちになります。
仕事の場合でも、事務作業をすると机の上にどんどんものが広がっていき、どこに何があるのか分からなくなります。
私は、フリーランサーなので、伝票整理や領収書など、細々とした事務作業を自分でしなくてはなりません。
大抵「さっき、あった伝票が消えてなくなった!」とひとりで大騒ぎになります。
机の上に広がった書類の中から、ひょっこり姿を現すまでに10分以上も時間を使ってしまい、イライラが募るばかりです。
先日、司法書士さんと仕事をすることがあったのですが、目の前のわずかなスペースを利用して淡々とたくさんの書類を整理し、作成をされる姿を見て、ある種のパフォーマーかと思うほどでした。
私なら、きっと「あれ? 印鑑がない」と書類の山を探す羽目になるでしょう。
だから、がんばって「整理整頓」できる人になりたいのですが、苦手なものはいくらがんばっても変わりません。
その対策として持ち物を少なくしています。
そもそも、整理するほどなければ、ざっくり収納でもそこまで気になりません。
少ない持ち物で暮らしていると、整理整頓にかかる時間はほぼゼロです。
それと普段の生活で引き出しの中を他人に見せることはありません。
タンスの引き出しも同様です。
それを見るのは自分だけなので、映えるSNSの投稿と比較して気にすることはありません。
現実は、こんなもなだと割り切ることにしています。
整理整頓は苦手ですが、料理はすることは好きなので、片付けている時間があるなら美味しいものを作っていた方が楽しい1日を過ごせます。
仕事においても、経理は税理士さんにお任せして、事務作業から距離をとることが出来ました。
毎月、「やらなきゃ」と自分のお尻を叩いて、イライラしながら伝票整理をして帳簿つけで心を消耗することがなくなりました。
その分、費用はかかりますが、そのことに使う時間を別なことに使えますし、何といっても心を消耗させずに済みます。
子どもの頃から「がんばりなさい」「できないことでも挑戦しなさい」「あなたならできる」と言われていくうちに、「がんばることが良し」で「怠けることが悪」みたいな思考のクセがついてように思います。
苦手なことはいくらがんばっても苦手なままです。
さほどの変化はありません。
でも、好きなことはやっていくうちに得意なことに成長します。
同じ時間を使うなら「好きなこと」に使ったほうが良いと思いませんか。
だから苦手なことは、家族など周りの人を頼ってもいいし、アウトソーシングを活用しても良いと思います。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。