20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
「ともに老いていこう!」と、中道あんさんが一緒に暮らし始めたイングリッシュコッカーのガクくん。いまや暮らしの良き相棒となったガクくんですが、ある日のこと...
【前回】50代最後の自分への誕生日プレゼントは古家。不動産投資、はじめました
【最初から読む】仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん
愛犬のイングリッシュコッカー(インギ―)のガク(♂)は7月で5歳になりました。
子育て終了後に娘にリクエストされ、はじめて犬との生活をスタート。
もともと生き物が好きなほうじゃなかったのですが、一緒に暮らし始めるとわが子と同じように愛おしいものです。
インギ―の寿命は12年~15年だそうで、「ともに老いていこう!」と思い、いまや暮らしの良き相棒です。
生後3カ月で我が家に来たとき、私も犬の扱い方を知らず、どうしたものか分からずにいました。
まだ会社員として働いていたので、日中は広めのゲージの中でお留守番させていました。
長い時間のお留守番のせいか、トイレシーツをぐちゃぐちゃ嚙みちぎられたり、壁などを爪でひっかいてボロボロに剥がされたりしました。
限られて空間の中で、遊びたいエネルギーを持て余していたのだと思います。
まるで幼い子どものようでした。
起業した理由の一つに犬に留守番ばかりさせるのは可哀想という思いがありました。
55歳でのキャリアチェンジは愛犬との暮らしのためでもあったのです。
3歳くらいまでは好奇心が旺盛で、ちょっと目を離したら、家具をかじっていたり、カーテンにじゃれついて破ったりと、破壊王で困っていましたが、ある時からとっても聞き分けのよい子になりました。
多分、意志の疎通ができるようになったからだと思います。
最近では、大好きだったおもちゃにも目もくれず、寝ていることが増えました。
気づけば5歳になっており、人生ならぬ犬生の1/3を過ぎています。
普段、私は2階の自分の部屋か、もしくはリビングでPC作業をしています。
その間、犬はソファでスヤスヤと寝ていることが多いです。
その寝姿に、安心して仕事に集中できます。
でも、ときどき、ソファの上からじっーとこちらに視線を投げかけていることがあり、あまりにガン見されるので、「何?」と聞いてしまいます。
すると尻尾を振って「ワン」と一吠えしたかと思うと、近寄ってきて膝の上に乗せろとせがまれるのです。
そんなことをしていたら仕事にならないので、3分ほど相手をしてあげてソファに戻し、時には2階の自分の部屋に移動することもあります。
そんなある日のこと、これといった予定もなくて、気持ち的にゆとりを持てた日がありました。
今日はなんだかまったり気分だわ~こんな感覚は久しぶり~
なんて思いつつ、ソファで寝ている犬の隣に腰かけてボーっとしていました。
すると、犬がむっくりと起き上がって、5歳のお誕生日プレゼントのおもちゃで遊びだしたのです。
「わぁ、珍しく遊んでいる~」と思って、私もちょっかいをかけたりして一緒になって遊んであげました。
5分ほどしてその場を離れたら、ピタリと遊ぶのをやめて私の方をまたじっーと見るのです。
そこでハッと子育て中を思い出したのです。
当時、家事だけでも忙しいのに3人の子どもの世話もあって、ゆっくりと寛いでいる時間などなかったと思います。
子どもに話かけられても「忙しいから、あとでね」といったり、時には「うるさいから向こうにいっといて」と邪険にしたりしたことだってあります。
大人になってから娘に「もっと甘えたかったのに、寂しかった」と言われてショックを受けました。
忙しい母の背中をみて我慢させちゃったかもしれません。
そして、また犬にもおなじように...。
本質的に考え方を変えないと歴史は繰り返す。
やっちゃっているなぁ私、と思いました。
人生において何を大切にするのかを改めて考えさせられる出来事でした。
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