「離婚しようって言われたら...」バリキャリからの妊活を経た友人。すれ違い生活の果ては...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ぴっぴ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:小学生高学年と低学年の2人の子どもを持つパート主婦です。

「離婚しようって言われたら...」バリキャリからの妊活を経た友人。すれ違い生活の果ては... 51.jpg

学生時代の同級生である友人A(40代女性)の話です。

Aとは今でもときどきご飯を食べる仲で、もう大学を卒業して20年以上たちますが、そのときそのときの彼女を見守ってきました。

氷河期世代で就職活動に苦労した私たちでしたが、Aは激務で有名な大手企業に入社後、若くして頭角を表し、徹夜もいとわぬ猛烈な働き方をしていました。

そして、仕事で出会った同い年の男性と30代前半で結婚。

Aは引き続き仕事中心の生活を望んでいましたが、旦那さんから子どもが欲しいから仕事をセーブしてほしいと言われたそうです。

Aにも子どもが欲しい気持ちはあったので、今のようなストレスフルな働き方では体に良くないだろうし、出産後も子育てできないだろうと思ったようです。

少しずつ働き方を変化させ、自分からガツガツ仕事を取りにいくことは減らしていきました。

Aは「ちょっと寂しい、せっかく頑張ってここまで来たのに」とこぼしていました。

そうして2年がたったのですが、なかなか妊娠しなかったため、夫婦で不妊治療に通うようになりました。

それでもなかなか妊娠に至らなかったため、治療する病院を変えたところ、なんと新しい病院で不妊の原因は旦那さんにあると指摘されたそうです。

そこで、精子を直接回収するための手術を勧められました。

そうすれば体外受精の成功率が上がるとのことだったのですが、旦那さんはそれを拒否。

Aいわく「痛そうだから嫌だって言われた」とのことでした。

私はそれまで、クリニックの受診のために会社を休んだり、採卵の痛みで苦しんだりしていたAを見ていたので、旦那さんの行動には「はぁ~!?」と思ってしまいました。

確かに手術は強要できることではないです。

でも、それまで「子どもが欲しい」と旦那さんの希望もあって治療をしていたのに、「痛いから嫌だ」って...。

ただ、Aは「これで私の不妊治療は終わり!」と晴れ晴れした表情。

私が恐る恐る「今どんな気持ち?」と尋ねたところ、あっけらかんと答えてくれました。

「まあ、片方が嫌だったら、どうしようもないからいいの。そもそも望んでも子どもが必ずできるとは思ってなかったし、時間もお金も掛けてきて、私も疲れたしね...」

私は意見を言える立場ではないので、ただAの話を聞いていました。

Aがそれでいいなら私は応援するだけです。

その後、再び仕事に熱量を注ぎ込みだしたAは出世し、管理職になりました。

一方、仕事が忙しくなったことで、すれ違いの生活が続き、今ではA夫婦の関係は冷え切っています。

Aは「まだきっかけがないけど、『離婚しよう』って言われたら『うん、いいよ』って返せるような関係」と言っていました。

なんだか寂しい気もしますが、どんな選択をしようとも私にとってAは大切な友人です。

これからも長く付き合い、つらいときは寄り添っていければなと思っています。

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