<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:42
プロフィール:夫と二人暮らしの主婦です。
約20年前の学生時代の話です。
大学の近くのコンビニに、私たちはほぼ毎日と言っていいほど通っていました。
同級生の女友だちA(20代前半)は、そのコンビニのパンがお気に入りのようで、いつも購入。
するとある日、レジを担当しているたコンビニの男性店員(20代前半)が「これ好きなんですか?」とAに声をかけてきたのです。
女子校出身で男性慣れしていないAは、びっくりして「あ、はい...」と戸惑っていました。
次の日もAはコンビニで同じパンを買ったのですが、店員さんはまた話しかけてきたそうです。
しかも、そのときはさらにグイっと来たようです。
「これ昨日僕も食べてみたんですけど美味しいですよね! パン好きなんですか? 自分で焼いたりするんですか?」
男性と接するのが苦手だったAとしては、そのパンは安くて大きくてコスパがいいから買っているだけで、的外れな質問に困ってしまいました。
そんなAの戸惑いをよそに、店員さんはAとの距離を縮めようとしてきました。
名前や出身地、好きな食べ物を聞いてきたり、コンビニくじの余った景品を渡してきたり...。
店員さんの行動は客と店員の範囲を超えていて、Aを狙っていることがバレバレでした。
しかし、Aは店員さんに好意を持つどころか、本気で迷惑がっていました。
店員さんとAが接点を持つのは会計をするときだけ。
何か聞かれても最小限の返事しかしていないのに、店員さんはどんどん話してくるようで、レジに列ができてしまったことも。
そのとき、後ろの人に舌打ちをされてとても気まずかったようです。
「もう、あの店員さんがいると思うとコンビニ行きたくなくなっちゃうよ...」
じゃあ行かなければいいと思うかもしれませんが、AにはAの事情がありました。
「でも、あのパンは安くて美味しいし、私は仕送りもらってないから他の食事を買うのは厳しいな。遅くまでバイトしてるからお弁当作るのも難しいし...」
そのため、Aがコンビニに行く時はなるべく一緒に行くようにして、店員さんに話しかけられたら「早く行こう!」とAを連れて帰るようにしてみましたが、それでもしつこくナンパしてきます。
ついには、Aと一緒にコンビニの前を通っただけで店員さんが駆け寄ってきて、「今見えたから思わず出てきちゃいました、最近元気ですか?」と話しかけてきたこともありました。
「もう学校に行くのも嫌になってきた...」
そう言って落ち込むAを救ったのは同級生の男子B(20代前半)でした。
「じゃあ、Aがコンビニに行く時は必ず俺が一緒に行って彼氏のふりをするよ」
Bはそう言ったのです。
これが効果てきめん。
店員さんはすっかり話しかけてこなくなりました。
しかもこれがきっかけでAとBは急接近し、本当に付き合うようになったのです。
あんなにふさぎ込んでいたAは見違えるように明るくなり、学校生活が楽しくて仕方がないようでした。
一時はどうなるかと思ったピンチが思いがけない方向に進み、まさに「災い転じて福となす」となった出来事でした。
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