<この体験記を書いた人>
ペンネーム:夏子
性別:女性
年齢:45
プロフィール:同じ年の夫と私、子どもの3人で郊外の住宅街に住んでいる主婦です。毎日のんびり近所の公園を散歩して癒されています。
20代後半で入社した会社は、内勤の女性社員の服装について特に指示がありませんでした。
とはいっても働きに来ているわけですから、控え目な服装の女性社員がほとんど。
カットソーやニットにひざ丈くらいのスカートという組み合わせが定番でした。
私も同じような服装で出勤していたのですが、部署が違う女性の先輩社員(同年代)が、私の服装についていちいちコメントしてくるのです。
「パンプスは蒸れるから社内ではサンダルに履き替えなよ」
「ちょっと体の線が出過ぎじゃない?」
「また服を買ったの? お金を使い過ぎじゃない?」
毎日、何かしら難癖をつけられました。
肝心の先輩は、超ミニスカートやラメ入りメッシュのTシャツなど派手な服装が多かったので、内心「あなたよりはマシでは?」と鬱陶しく思っていました。
彼女の服が派手だと思ったのは私だけではないようで、直属の上司(40代前半くらい)から「服装がオフィスにそぐわない」と注意されることもあったようです。
先輩は上司に注意されると、なぜか私に絡んでくるのがお決まりのパターン。
「その服、上司受けを狙ってるの?」
「〇〇さん(先輩の上司)、夏子さんみたいな格好が好きでしょ? ホント文句多くてうるさいよ」
いろいろ言われましたが、私は他の女性社員と同じような服装をしているだけ。
当たり前ですが、女性として上司に媚びようとは思っていませんから、ちょっと棘がある言い方だなと思いました。
私は社内の人と打ち合わせが多い仕事をしていましたが、会議室でスーツの男性数人の中にセーターの私がいると、いかにもアシスタント的な印象を与えます。
ほとんどの男性社員よりも多く残業をして専門的な仕事をしているのに、服装で軽く見られるのが嫌になってきました。
そこで、次第にジャケットを着る日を増やしていき、入社1年くらいたった頃にはスーツで出勤するようになりました。
その先輩は、私が営業でもないのにジャケットやスーツを着るようになったのが気になったのでしょう。
「なんでジャケットなの? いらなくない?」
「スーツなんて着なくていいのに」
などとよく言われたものです。
ジャケットやスーツを着るようになった頃から、私は徐々に上司や営業に同行して社外に出ることが増えてきました。
社外で打ち合わせならスーツでも違和感がないですし、先輩は私の服装についてコメントしなくなりました。
ところが、今度は私より後に入社した年下の女性(22歳)について批判するようになったのです。
毎日のように「あの爪、派手すぎ!」「スカートが短い」と話しかけてきます。
(は? 膝上丈どころか、あなたは太もも丸見えじゃないですか)
そう言いたいのをぐっと我慢。
「う~ん...会社でNGってほどではないと思いますよ~」
などと受け流していました。
そんなある日、先輩が「会社で生足はどうよ、ねぇ夏子さんもそう思うでしょ?」と怒った調子で言ってきたことがありました。
一緒にダメ出しをして盛り上がりたかったのだと思います。
でも、私の口から本音がポロリ。
「私、自分の仕事にいっぱいいっぱいで、彼女のストッキングがどうとか気にする余裕なかったわ」
ちょうど繁忙期でしたし、相手をするのが面倒だったのだと思います。
その件以来、先輩は私にファッションの話をしなくなりました。
今にして思うと先輩はおしゃれに関心が高くて、服装について雑談したかっただけかもしれません。
けれども批判的な口調で話すことが多かったので、一緒に盛り上がれませんでした。
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