震災時に皆を助けた我が町のヒーローがまさか1年後に...あの親切はこのためだったのか

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ごんちき
性別:男性
年齢:48
プロフィール:東北地方の会社員で妻と二人暮らし。子どもはいません。

震災時に皆を助けた我が町のヒーローがまさか1年後に...あの親切はこのためだったのか 59.jpg

2011年のお話です。

37歳の私は、当時47歳の妻と2人で貸家暮らしをしていました。

2011年3月11日に東日本大震災が発生。

私の住んでいる町も甚大な被害を受けました。

地震の直後数日は電気、水道等のライフラインは全く使えず、不便な生活を強いられていました。

会社も休まざるを得ない状態だったので、貸家の片付けをして過ごしていたある日のことです。

その日、私は貸家の倒れたガスボンベを元に戻そうと四苦八苦していました。

するとそこに50歳くらいの男性が現れて、「手伝います」と手を貸してくれたのです。

「ありがとうございました」と言ってその方を見ると、近所に住んでいる弁当店を経営している男性でした。

その後も私たちの住んでいる貸家の片付けを手伝ってくれて、大いに助かりました。

男性は隣町から引っ越してきてまだ3年ほどでしたが、世話好きなのか隣近所に声をかけて回って、あちこちで復旧のお手伝いをしているようでした。

店の商品を無料で各家庭に配ることもあり、出費もかなりあったのではないかと思います。

震災からある程度復旧した後も、皆がやりたがらない自治区の班長を自ら立候補して引き受けるなど、地域の活動にとても熱心です。

いつの間にか地域になくてはならない人になっていました。

私も立派な人だと感心していましたが、実はある目的があっての親切だったのです。

震災から1年後、男性は突然、市議会議員に立候補しました。

私の住む町に限りませんが、市議会議員になるにはある程度の人脈が必要なようで、男性が周りに親切にしていたのは人脈作りの一環だったようです。

話に聞いたところでは、男性はもともと議員志望のようで、前に住んでいた町でも議員に立候補して落選していたそう。

そのため、今回こそはと人脈作りをするため、皆に親切にしていたのでしょう。

立候補後も頑張って選挙活動をしていました。

あまりお金はないらしく、選挙カーは軽ワゴン車を使い、ウグイス嬢は奥さんにやってもらうなど、手作り感満載の選挙活動をしていました。

震災の際にお世話になった人たちを中心に、私たちの住む地域の住民の方も何人か選挙活動のお手伝いをしていたようです。

私は仕事があってお手伝いはできませんでしたが、選挙当日は震災の際のこともあったので、男性に投票しました。

しかしながら、結果は落選。

落選後、しばらくして男性は誰にあいさつすることもなく、突然他の町に引っ越してしまいました。

親切にしてもらったことには感謝しかありませんが、下心があっての親切だったのかと思うとちょっと複雑な気持ちになりました。

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