<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:42
プロフィール:夫と二人暮らしの主婦です。
20年くらい前の学生時代のことです。
当時、同い年の彼氏がいました。
その彼氏と一緒に、老夫婦(60代くらい)2人だけでやっている、こじんまりとした洋食店によく通っていました。
最初は期待しないで入りましたが、オムライスが絶品で、ドハマりした私たちは何かあるたびに通うようになりました。
ご夫婦は気さくな方々で、何回か通ううちに仲良くなりました。
私たちのことをいつも気にかけてくれる優しい方々だったのですが、一つだけ気になることがあったのです。
ご夫婦は「男は働き、女はそれを支えるもの」という考えで、20年前だとしても私からすれば古い考え方でした。
最初に話したときの会話からも、ご夫婦の考え方がにじみ出ていました。
「あなたたち学生さんよね。彼氏は近くの○○大学かしら、何学部? 彼女は女子短大かな」
なぜ、短大だと決めつけるんだろう? そう思いつつ軽く返しました。
「同じ大学の○○学部のクラスメイトなんです」
「あら、女の子なのに珍しいわね」
通っていた学部は確かに男子のほうが多かったのですが、女子が珍しいわけではありません。
また、将来の話になったときにはこんなことを言われました。
「彼氏はどんなところへ就職を考えているの? 彼女はお嫁さんになるんだよね、支えてくれる彼女もいるんだし、就活がんばれよ!」
いえ、私も就職するんですが...。
そんなある日、私の資格試験の合格を願って、彼氏がその洋食店でディナーをご馳走してくれることになりました。
「がんばれるように、今日は好きなもの食べよう!」
彼がそう言ってくれたので、いつもは頼まない高めのメニューを頼むと、ご夫婦は「今日は特別な日なのかな?」と話しかけてきました。
「今度私が資格試験を受けるので、彼氏がその壮行会代わりに連れてきてくれたんです」
「そう、2人で試験を受けるのね」
「僕は受けないんです、試験を受けるのは彼女だけですよ」
彼が否定してもご夫婦はなぜか分かっていないようでした。
「賢そうだからきっと受かるよ、将来は先生って呼ばれるようになるのかな?」
そう言ってくれたのですが、あきらかに私ではなく彼氏に言っていました。
「そうですね、彼女が受かったら僕も先生と呼ばなきゃな」
彼氏がやんわりと否定をしてくれたのですが、ニコニコ顔でスルーされてしまいました。
その後の会話も最後まで噛み合いませんでした。
お会計を終えて店を出るとき、彼氏に対して「資格試験がんばってね!」と言って、私には何もなし...。
料理が美味しい素敵な洋食店。
でも、ジェンダー平等についての考えだけは、なぜあんなにも時代錯誤だったのでしょうか...。
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