人の死期を次々と言い当てる恐怖の「霊感おばさん」。のちに判明した、考えられない「からくり」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:まるおじ
性別:男性
年齢:53
プロフィール:専業主婦の妻と大学生、中学生の子ども2人の4人家族の父です。子どもが同時に中学・大学に進学してお金も精神的な負担も大変でした。

人の死期を次々と言い当てる恐怖の「霊感おばさん」。のちに判明した、考えられない「からくり」 31.jpg

2021年のことです。

母から電話があり、実家の近所に住むとある女性が亡くなったことを知りました。

私は、実家を出てからは近所の人たちとほとんど交流がなく、近況について全く知らなかったのですが、その女性の名前を聞いて、久しぶりに30年前の恐怖体験を思い出しました。

私の実家は郊外の住宅街にあったのですが、当時50歳くらいだったその女性は、強い霊感があると近所でとても有名な方でした。

その女性は、住宅街に住む人々の体調に関することを予知していたのです。

ほとんど面識のない住人の体調が悪化していることを見抜いたり、具合が悪くて入院していた方の死期を次々と言い当てたり、的中率はぞっとするほど高かったのです。

まだ学生だった私や友人もその噂を耳にしていて、「霊感おばさん」と呼んで恐れ、その女性の家には決して近づかないようにしていました。

当時、その女性のことを「どうせインチキだ、適当なことを言っているだけだ」と言い放って馬鹿にしていた近所のおじさんがいました。

しかし、おじさんの持病が悪化したとき、その女性は「私のことを悪く言った報いだ」と言い、おじさんの余命を告げると予言どおりそのおじさんは亡くなってしまいました。

それがきっかけで周囲の大人たちは彼女に予言されるのを恐れるようになり、誰も彼女の悪口を言わなくなったのです。

それどころか機嫌を損ねないように、彼女をちやほやするようになったほど。

私の両親もほとんど交流がなかったにもかかわらず、何か言われないように、仕方がなくお土産を渡すこともありました。

彼女がワガママを言っても逆らう人は誰もいなくなり、その存在はまるで現代の魔女のようでした。

私が就職して実家を出た後は、その女性との関わりは一切なく、すっかり忘れていたくらいです。

しかし、久々にその女性の名前を耳にし、母にその後について聞くと、驚くべき真相が判明しました。

実家の近所には有名な大病院があり、その住宅街に住んでいた大半の人たちは、その病院を利用していました。

彼女の知人がその病院に勤めていて、その知人から通院や入院している近所の人たちの病状などの情報を入手して「予言」していたとのこと。

しかし、20年ほど前に知人との関係が悪化し、彼女は予言のからくりを周囲にバラされてしまったそうです。

それ以来、住宅街の人たちは彼女とは一切付き合わないようになり、最後は自宅でひっそり孤独死していたとか。

30年越しのミステリーが思わぬ形で真相解明してスッキリした気持ちになったものの、個人情報管理が厳しい今では考えられない、非常識な話に驚くばかりでした。

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