<この体験記を書いた人>
ペンネーム:うさぎ
性別:女性
年齢:50
プロフィール:50歳のパート主婦です。
今から14年前のことです。
当時、私は長女(現在14歳)を出産し、産院を退院したばかりで、自分自身の身体も思うように動かせないような状態でした。
それとほぼ同時期、今は亡き父(当時74歳)が入院しました。
父はがんを患っており、入退院を繰り返していたのです。
それまでは、私の実家近くの市立病院に入院していたのですが、今回は私が同居している夫の実家から近い病院に入ることになりました。
その病院は、父の患っている病気を専門に診てくれる診療科があったからなのですが、家の近くなので「もしかしたら顔を出せということかな...」と思ったら、その通りでした。
父は、一人っ子の私を溺愛していて、結婚してからも何かと理由をつけて実家に呼びつけることがありました。
また、私が運転するときは必ず助手席に座ろうとします。
あるとき、一緒に出かけていた従姉妹(51歳)から「あなたのお父さんは本当にあなたのことが好きだよね~」と言われました。
そういうこともあり、父の入院先が近くになったことは、偶然には思えませんでした。
入院している間、母(当時70歳)が毎日のように病室に通っていましたが、案の定、父は私が来ないことを不満に思っていたようです。
でも、産後で無理はできません。
母が父に「あの子は産後だから」と話しても、納得できなかったのでしょう。
なんと父は看護師さんを使って、私を病院に呼びつけたのです。
ある日、父がいる病院のナースステーションの看護師さんから、自宅に電話がかかってきました。
看護師さんにもまだ娘を出産して2週間ぐらいしか経っていないことを伝えたのですが、「会えないことでお父さんが精神的に不安定になっているかもしれない」と言われました。
「とにかく一度会いに来ないとお父さんが納得しない」とも。
看護師さんも困って連絡してきたのでしょうが、私の身体の心配はないのかと怒りを覚えました。
さらに数日後、再度病院から連絡があり、「お父さんが病室を抜け出して、あなたを病院の玄関で待っていいます」と言うのです。
これ以上は病院にも迷惑が掛かりますし、父の状態も心配です。
仕方がないので、娘を夫に託して病院に向かいました。
父は病院の玄関先で待っていました。
私と話したら父は少し気持ちが落ち着いたようですが、なぜ父があんなに取り乱していたのか、今でも分かりません。
もしかしたら、自分がそう長くないと感じていたのかもしれません。
それからも父は入退院を繰り返し、その後1年ほどで他界しました。
でも、あのまま会いに行かなかったら父はどうなっていたのでしょうか。
当時はちょっと困りましたが...無理してでも会って良かったと思っています。
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