<この体験記を書いた人>
ペンネーム:茉莉花
性別:女性
年齢:51
プロフィール:アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもがいます。
約20年前、当時は育児休暇中で無給の身。
月によって変動がある元夫の収入のみで暮らしていました。
日々の節約を心がけていましたが、元夫(私より5つ下の30歳)はそれを遥かに上回る、尊敬というよりかは「うわぁ...」と思いたくなる節約人(?)でした。
その節約の仕方は尋常ではありません。
結婚前からお金の使い方に関してはシビアだと思っていましたが、結婚後はますます拍車がかかりました。
例えば、外食は割引券もしくは無料サービスがあるお店のみ。
お安めのファミレスも元夫の眼鏡にはかないません。
日用品・食料品などは私が購入していたものの、それ以外の大型家電や娯楽品は元夫が担当。
ただし、購入方法はネット通販一択です。
オークションサイトを利用して、時間がどれだけかかっても、とにかく店頭で並ぶ商品より1円でも安く手に入れたいと躍起になっていました。
「オークションは時間との闘いだ!」と、昼夜問わずパソコンに張りつくこともしばしば...。
体調の悪い子どもが泣いてもわめいても知らん顔。
横でパソコンとにらめっこしている元夫に「買い物より、手伝ってよ!」と、私は何度キレたことでしょうか。
そんな中、初めての家族旅行の話が元夫から出ました。
まあ、反対されると思いながら「私も旅行費を出すから、奮発して子どものサービスが充実した宿にしよう」と恐る恐る提案すると、案の定帰ってきた返事は「一番安い旅行サイトに会員登録したから、そこで予約するわ」でした。
さらに「宿の候補と行程はもう決めてある! 3人で1泊3000円で泊まれるなんてそうそうないよ」と嬉しそうに言う元夫。
一緒に見ようと誘われてその宿のページを見て、はあ~、とため息が出ました。
元夫がお勧めする宿はどれもだいたい6畳一間です。
何なら夕ご飯もなし。
立地は超山奥で周りにコンビニすらなく、子どもへのきめ細やかなサービスなんて期待できそうにありません。
いやいや、お忍びのカップルならこういう雰囲気でも楽しめるんでしょうが、うちには乳飲み子がいますけど!?
わざわざ不便な宿に泊まる意味が分かりませんでした。
さらに追い打ちで「この3つの宿から選んで。嫌なら別に行かなくてもいいしさ」と言われ、しぶしぶ譲ってその中から写真映えしている宿を選びました。
いわゆる秘境の温泉地らしく、車でしか行けないため移動は当然車です。
元夫、運転し始めたら目的地まで直行タイプ。
途中で見かけた観光地に寄り道することなく、トイレ休憩以外はノンストップ。
観光なし、宿直行、これって思い出が作れるんでしょうか?
そうして半日以上かけて着いたお宿は、よく言えば昭和風?
いたって普通の民宿で、隣の部屋との境はボロボロの襖1枚...。
夏だけどうすら寒く、座布団はじっとり湿っていました。
部屋に入った瞬間、埃アレルギーの私はくしゃみが止まらず、嫌な予感がしまくり。
なぜか、この日の客は私たちだけだったためか、宿のご厚意(?)で夕食が付いたのですが、翌日朝、私と子どもだけひどい腹痛と下痢に見舞われました。
元夫は症状なしだったので、「夕食のせいでは?」とも言えず、本当に踏んだり蹴ったり。
帰りの道中は頻繁にトイレ休憩ばかりで...各地のコンビニ巡りで初めての子連れ旅行は終わりました。
宿から出るときの元夫の一言です。
「これで1泊3000円って安いなー! 良い旅行だったね!」
これがのちの離婚につながったのは言うまでもありません。
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