<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:41
プロフィール:夫と二人暮らしの主婦です。
約20年前の学生時代のことです。
当時通っていた大学に、Nさんという女性(28歳)が編入してきました。
当時の私にとっては20代後半の彼女はかなり年上に感じられましたが、Nさんはとても気さくな性格で私たちともすぐに打ち解けました。
また、Nさんは社会経験も豊富で、私たち学生の知らないことをたくさん知っていました。
授業中に「私の前の職場でこういうことがありましたが...」と具体例を出しながら質問をしていたのがとても印象的で、Nさんがいると勉強になると感じていました。
私が「Nさんすごいですね」と言うと「自分で会社を経営したこともあるけれど、やっぱりもう一度しっかり学び直したくて」と言っていました。
なんとNさんは、元女社長だったんです。
当時、若手起業家が流行っていたこともあり、私たちはNさんに一目置くようになりました。
そんなNさん、事あるごとにちょっとしたお菓子などみんなに配ってくれる、気遣いもできる人です。
私たちは「やっぱり大人の女性は気配りが違うね〜」などと言いながら、ありがたくいただいていました。
しかし、あるときNさんにこう言われました。
「何かをもらったらお返しをするのが大人の常識よ」
今までNさんからもらう一方で何もお返しをしてこなかったので、もしかしたらNさんは自分が蔑ろにされたと感じて悲しくなってしまったのかな?
そう思った私たちは、それ以降Nさんからもらったときはなるべくお返しをするように気をつけました。
しかし、Nさんが何かをくれるのは結構な頻度でした。
それに対して、いちいちお返しを用意するのがちょっと面倒にもなっていました。
こう思っていたのは私だけではありません。
「いろいろくれるのは嬉しいけど、かえって気を遣っちゃうよね」
「甘いものが嫌いなのに無理やりくれるもんだから困ったよ、断っても『いいのいいの〜』って渡してくるからどうしよう」
などと周りの友人も言い始めました。
一方、Nさんのお返し要求はエスカレートし、お返しをしない人を悪く言い始めるようになりました。
「あの子はもらってばっかりで意地汚い」
「あの子は親がちゃんとしたところで働いている子だから礼儀正しくお返しをくれる」
こんなふうに、陰で評論するようになったんです。
ついには「あの子は育ちが悪い、親の顔が見てみたい」と、親を侮辱するようなことまで言うようになりました。
こちらが欲しいと言ったわけでもないものを勝手に押し付け、見返りがないと悪く言う。
そんなNさんはみんなの憧れから一転、卒業の頃には孤立していました。
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