<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:上司と部下の板挟みに悩む中間管理職です。
今から12年前、当時40歳の私がリーダーを務めていた職場には、Aさんという65歳の男性パートさんがいました。
実はAさん、とても困った悪癖がありました。
それは当日の欠勤が非常に多いことでした。
Aさんは週3日出勤のシフトでしたが、毎週1日は欠勤の連絡をしてきます。
時には連休を取ることもありました。
連絡をもらうときに欠勤の理由を尋ねるのですが、決まって「体調不良」と言います。
あまりにも欠勤が目立つので、どう体調が悪いのかを尋ねると、二日酔いで休んでいたことが分かりました。
確かに、朝からずいぶんお酒臭いと思うことがありました。
しかし「それなら仕方がないですね」とは言えません。
Aさんに欠勤がこれ以上目立つと困る旨を伝えると、Aさんは開き直った口調で「でも、簡単には解雇できないよねぇ?」と言ってきました。
確かに解雇するには然るべき段取りを踏まなくてはいけません。
どんなに就業態度が悪くても「明日から来なくていい」とは言えません。
困った私は上司(58歳)に相談をしました。
すると、上司は「即時解雇を告げて構わない」と回答しました。
本当にそうしていいのか上司に念押ししても、やはり構わないとの回答です。
翌日、Aさんから欠勤の連絡が入ったので、上司の言う通り即時解雇を伝え、そのことを上司に報告しました。
上司は「あとは俺に任せておけ」と言うので、そのようにしました。
その翌日のことです。
私は専務(社長の奥さん、60歳)から大目玉をくらいました。
理由はAさんです。
ちゃんとした手続きもなく即時解雇されたことを不満に思ったAさんが怒って電話を掛けてきたそうで、会社の態度次第で然るべきところに話を持っていく、と言っていたとのこと。
Aさんは、解雇を告げた私からの謝罪と解雇予告手当を要求したようです。
専務は、私が感情的になって気に入らないパートさんを勝手に解雇した、と誤解しているようでした。
周りに大勢のスタッフがいるにもかかわらず、私を怒鳴りつけて「お前こそ解雇してやろうか?」とまで言われました。
理不尽な思いしかない私でしたが、感情を抑え、なるべく丁寧に事の次第を専務に伝えました。
そして、上司からの指示であったことを話すと、専務は上司を呼び出して私を解放しました。
30分ほどして戻ってきた上司は、ただ無言で天を仰いでいます。
「大丈夫でしたか?」と上司に声を掛けたとき、上司の目には涙が溜まり、唇をギュッと噛み締めている表情から、相当悔しいことを言われたのだろうと察しました。
Aさんへの対応は、上司が責任を持って行うことになり、私が関わることはなくなりました。
あとから聞いた話によると、上司は専務と別室で話をしたそうで、具体的なやり取りは誰も知らないようです。
いい年齢の男性が涙を浮かべるほどの事とは? 想像するだけで恐ろしくなったことを覚えています。
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