58歳の上司が悔し涙を浮かべるほど詰められて...パワハラ社長夫人のありえない説教

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:上司と部下の板挟みに悩む中間管理職です。

58歳の上司が悔し涙を浮かべるほど詰められて...パワハラ社長夫人のありえない説教 45.jpg

今から12年前、当時40歳の私がリーダーを務めていた職場には、Aさんという65歳の男性パートさんがいました。

実はAさん、とても困った悪癖がありました。

それは当日の欠勤が非常に多いことでした。

Aさんは週3日出勤のシフトでしたが、毎週1日は欠勤の連絡をしてきます。

時には連休を取ることもありました。

連絡をもらうときに欠勤の理由を尋ねるのですが、決まって「体調不良」と言います。

あまりにも欠勤が目立つので、どう体調が悪いのかを尋ねると、二日酔いで休んでいたことが分かりました。

確かに、朝からずいぶんお酒臭いと思うことがありました。

しかし「それなら仕方がないですね」とは言えません。

Aさんに欠勤がこれ以上目立つと困る旨を伝えると、Aさんは開き直った口調で「でも、簡単には解雇できないよねぇ?」と言ってきました。

確かに解雇するには然るべき段取りを踏まなくてはいけません。

どんなに就業態度が悪くても「明日から来なくていい」とは言えません。

困った私は上司(58歳)に相談をしました。

すると、上司は「即時解雇を告げて構わない」と回答しました。

本当にそうしていいのか上司に念押ししても、やはり構わないとの回答です。

翌日、Aさんから欠勤の連絡が入ったので、上司の言う通り即時解雇を伝え、そのことを上司に報告しました。

上司は「あとは俺に任せておけ」と言うので、そのようにしました。

その翌日のことです。

私は専務(社長の奥さん、60歳)から大目玉をくらいました。

理由はAさんです。

ちゃんとした手続きもなく即時解雇されたことを不満に思ったAさんが怒って電話を掛けてきたそうで、会社の態度次第で然るべきところに話を持っていく、と言っていたとのこと。

Aさんは、解雇を告げた私からの謝罪と解雇予告手当を要求したようです。

専務は、私が感情的になって気に入らないパートさんを勝手に解雇した、と誤解しているようでした。

周りに大勢のスタッフがいるにもかかわらず、私を怒鳴りつけて「お前こそ解雇してやろうか?」とまで言われました。

理不尽な思いしかない私でしたが、感情を抑え、なるべく丁寧に事の次第を専務に伝えました。

そして、上司からの指示であったことを話すと、専務は上司を呼び出して私を解放しました。

30分ほどして戻ってきた上司は、ただ無言で天を仰いでいます。

「大丈夫でしたか?」と上司に声を掛けたとき、上司の目には涙が溜まり、唇をギュッと噛み締めている表情から、相当悔しいことを言われたのだろうと察しました。

Aさんへの対応は、上司が責任を持って行うことになり、私が関わることはなくなりました。

あとから聞いた話によると、上司は専務と別室で話をしたそうで、具体的なやり取りは誰も知らないようです。

いい年齢の男性が涙を浮かべるほどの事とは? 想像するだけで恐ろしくなったことを覚えています。

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