<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:41
プロフィール:夫51歳。私は41歳。小学生の息子の3人暮らし。共働きです。
今から8年ほど前のことです。
当時、コンタクトレンズの処方のために通院していた眼科の受付で、保険証を月初めの確認のために渡しました。
無事に診察も終わって会計時、受付の女性が声をかけてきました。
「すみません、最初にお預かりした〇〇様の保険証ですが、どうしても見当たらないので、お手数ですが再発行の手続きをしていただけないでしょうか?」
一瞬、意味が分かりませんでした。
「医療機関が健康保険証を紛失? 見つからないからって再発行してほしい?」
困惑したものの、その後に用事もあったので帰宅したのですが、時間がたつにつれて腹が立ってきて夫に話しました。
「そんな呆れた医療機関、マスコミとかで問題になるレベルでないの?」
「そうよね!」
翌日、その医院に電話をしました。
すると、当時の私の職場に医院の副院長が菓子折を持参して来ました。
私から報告を受けた上司も「なんだ、その眼科は!」と、同席してくれて憮然としていましたが、副院長の言い分は想像以上にとんでもないものでした。
「なにとぞこれで穏便にしてくださいませんか? 万が一ですが、他の患者様に間違って〇〇様の健康保険証を渡した可能性も否定できませんので...」
こんなことを言われて「分かりました」と納得する人なんていませんよね?
「他の人に私の保険証を渡したかもしれないんですか? 個人情報なので、まずはきちんと再度院内を探してください!」
激昂する私をなだめつつ、上司も「『すみません』では済まない由々しき問題ですよ」と援護してくれました。
その数日後、同じ副院長が再び職場に「ありました!」と、また菓子折りを持参して、今度は満面の笑みで訪れました。
(悪びれもせずにニコニコ顔で来たってことは保険証が見つかったんだろうな...)
いら立ちを抑えつつそんなことを考えていましたが、副院長が「これです!」と笑顔で机上に出したのは...粉々にシュレッダーされて、見るも無残な私の健康保険証。
それをなんとか元通りの形に見えるようセロテープでベタベタに貼ったものだったのです!
「粉々で貼り合わせるのが大変で頑張りました!」
達成感に満ちた顔で説明する副院長。
絶句して一瞬言葉が出てきませんでしたが、深呼吸をして言いました。
「今後、これがどこかで使えると思われるのでしょうか?」
「それはどうでしょうかねえ...医療機関によっては...」
前回同様、同席してくれた上司も「医療機関以前に社会の常識として、あなたもおたくの病院もおかしいですよ!」と私よりも怒っていました。
「こんな保険証、一生使えないですから再発行の手続きはこちらでします。今後は一切お越しいただかなくて結構です」
丁重にお引き取りいただき、その後二度と行っていません。
そして理由は不明ですが、3年ほど前にその眼科は突然閉院になっていました。
「患者の健康保険証管理もミスがあって、その後の対応もあんな杜撰ならば、他のことも杜撰だらけで閉院してもおかしくないのでは?」
少しだけ同情しつつ、そう思ってしまいました。
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