<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くあら
性別:女性
年齢:55
プロフィール:雨が降ると外へ出たくなくなります。
仕事が大工だったせいか、父は帰宅すると真っ先に入浴していました。
子どもの頃は父と一緒に入浴し、時に母や兄弟も一緒に入ることもあり、夕食はいつもそのあと。
同居していた祖父も大工だったので、やはり夕食前に入浴していて、二世帯家族揃って夕食はみんな湯上りです。
今のように自動で追い焚きするような風呂ではなく、水を張ってから沸かすので、できるだけまとめて短時間のうちに入るのが当たり前の感覚でした。
冬は湯がすぐ冷めてしまうので、省エネのためでもありました。
結婚して、現在の夫(53歳)も帰宅後すぐに入浴するタイプ。
子どもたちも夫と一緒に入るので、夕食は入浴後が当たり前になっていました。
そのため、誕生日会やクリスマス、ひな祭りなどのイベントを自宅で行うとき、家族は全員パジャマ姿。
子どもたちが成長して部活動や塾で夫より帰宅が遅くなると、夕食もバラバラになったり、腹ペコを我慢できずに「風呂よりメシ!」となったりで、この習慣はうやむやになりました。
「絶対こうしなければ」と始まったことでもないので、誰もなんとも思っていないものだと考えていました。
ある日、大きくなった息子に「ほとんどの友だちの家は、晩めしのあとに風呂なんだってよ。うちって割と少数派みたい」と聞いて、「へえ〜そうなんだ」と改めて思ったものです。
そして先日、成人した子どもたちの幼い頃の写真やビデオを整理していたときに、あることに気づきました。
家族全員の誕生日は必ず記録に残しているのですが、小さいうちはほぼ家でお祝いしていたので、ケーキにろうそくを立てて笑っている写真は全員がパジャマ。
ビデオに向かっているその日の主人公も、ビデオを回している私や夫もみんなパジャマで写っていて、改めて大笑いしてしまいました。
よその家では、わざわざその日のために綺麗な服を着て記録しているのに...。
あの頃の我が家ではそういう発想はなく、〇〇会は必ず夜、それもいつも通り夕食なので入浴後、となんの疑問も持っていなかったのが、今となっては不思議で笑ってしまいます。
将来子どもたちが家庭を持ったとき、同じようなことをしているのか、あるいはあれはおかしな風習だったと改めているのか、今から楽しみです。
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