「自分の楽しみを奪うな！」カッとして物を投げつけた40代の妻。でもあることでいつもの穏やかな姿に

＜この体験記を書いた人＞

ペンネーム：まるおじ
性別：男性
年齢：53
プロフィール：専業主婦の妻と大学生、中学生の子ども2人の4人家族の父です。年明けから子どもの中学・大学のダブル受験で大忙しでした。

「自分の楽しみを奪うな！」カッとして物を投げつけた40代の妻。でもあることでいつもの穏やかな姿に 32.jpg

2021年の冬頃の話です。

40代半ばの私の妻は、少しおっとり気味で、あまり感情を表に出すこともないタイプ。

家族に対して大声を上げて怒ることはめったにありません。

しかし、息子が高校三年生になって大学受験が近づくと、妻もプレッシャーを感じ始め、ちょっとしたことでイライラするようになりました。

ちょうど下の娘も中学受験に向けて進学塾に通いだした時期のことです。

平日だけではなく土日も子どもの送迎や弁当作りで負担が大きくなり、体力的にも精神的にも疲労がピークに達していたのでしょう。

そんなとき、息子の通う高校の仲の良いママ友から、「海外ドラマを観てストレスを解消している」と聞き、我が家でも動画サービスに加入してみることにしました。

妻はそれまで海外ドラマなど興味がなく、ほとんど観ることもなかったのですが、ママ友から勧められた恋愛ドラマを観始めると、あっと言う間に虜に。

昔から一度のめり込むと止まらないところがある妻は、一気に最終回まで観て大満足すると、それからも次々と新しいドラマを観るようになったのです。

それとともに、イライラした態度も収まってきたので、良い息抜きができて良かったと思っていました。

しかし、何作か恋愛や医療ドラマを観た後、バイオレンス系のドラマを観始めた頃から様子がおかしくなってきたのです。

最初は観慣れないジャンルの話に少し戸惑っていたものの、すぐに夢中になり、それまでと同じように感情移入しながら観ていたようです。

すると、妻の態度がそれまでと少しずつ変わり始め、だんだんと普段の言葉遣いが荒くなり、私や子どもたちにキツい口調で話すようになってきたのです。

その後もドラマの進展とともに妻の態度は悪化する一方で、ついには気に入らないことがあり、カッとなると私たちに物を投げるようになってしまいました。

私がドラマを観るのを止めるように言っても耳を貸さず、「自分の楽しみを奪うな！」と激しく怒りだす始末。

穏やかだった妻の変貌に私や子どもも困り果て、家庭も荒れた雰囲気になってしまいました。

このままでは息子の受験が上手く行かないばかりか、家族崩壊になるのではないかと心配な状態がしばらく続いたのですが...。

そのドラマの最終回を観終えると、それまでの荒れっぷりが嘘のように、再びおっとりした穏やかな妻に戻ってくれました。

平和な家庭が戻って一安心したのですが、我が家ではそれ以来、バイオレンス系のドラマを観ることは一切禁止というルールができました。

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