<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:2021年冬、59歳の夫、55歳の私、28歳の長女の間で起こったちょっとおかしな出来事です。
「なんでいつもこれだけ?」
このとき、娘が見ていたのはコーヒーの瓶の中身。
空っぽになっていた瓶の中身がちょっとしか増えていなかったのです。
我が家のコーヒーはインスタントです。
このインスタントコーヒーには専用の瓶があって、瓶の中身がなくなったらパッケージの袋から満タンになるまで補充するのが我が家のスタイルです。
それがあるときを境に、瓶の3分の1、あるいはもっと少ない量のコーヒーしか補充されなくなりました。
「在庫がなかったんじゃない?」と考えますが、それはありえません。
なにせ、我が家のコーヒーの在庫はいつも少々多め。
必需品なので常に複数パックの買い置きがあるのです。
そのため「どうしてかな~?」と、不思議に思いつつも、特に困ることもなかったので、そのまま放置していました。
そんなこんなで迎えたのがこの日の朝、「なんでいつもこれだけ?」と長女の一言で、私たち親子が同じ疑問を持っていると判明したのです。
「だよね!」と顔を見合わせた私たちは、その疑問に決着をつけることに。
これは私と娘の仕業ではないので、残るは1人。
コーヒーを補充しているのは夫です。
そこでさっそく夫を直撃しました。
「ねーねー夫。なんでいつもコーヒーをちょっとだけ瓶に入れるの? 満タンに入れてくれればいいのに...」
少々の不満を抱えた言い方をしました。
すると、夫がコーヒーへの思いを饒舌に語りだしたのです。
「あのね、俺はコーヒーが好きなの」
「知ってる」
「コーヒーは香りも風味も味も、全部含めてコーヒーなんだよ。コーヒーを一度にたくさん瓶に入れると、その回数だけ瓶から香りが逃げるでしょ」
「ほ~...」
「そうだよ! おまけにコーヒーの香りが徐々に苦くなるんだよ!」
「それはウソだね」
「ホントだよ!」
「万年鼻炎なのに? 分かるの?」
「分かるさそこは! だからみんなにも少しずつコーヒーを補充してほしいんだけど...」
「断る。めんどくさ~い」
この一言で夫の不満が爆発しました。
「コーヒーの蓋だってきっちり閉まってないんだよ。そんなのしょっちゅうだからね!」
「あ~、それは長女の仕業だな」
「それと、急に銘柄変えるのもやめて!」
「安いとつい買っちゃう♪」
「なんだよそれ...」
こうして、少々横道にそれつつも、「なんでいつもこれだけ?」の謎が解けたのでした。
どうやら夫は「コーヒーの新鮮な香りを守りたい」みたいです。
だからと言って、コーヒーをちょこちょこ補充するのは面倒です。
そこで一計。
「コーヒーを補充する人って、好きな分だけ入れられるんだよ。それに、パッケージから出したばかりの豊潤な香りも独り占めだよ!」
そう夫をそそのかしてみました。
すると夫は「俺に任せろ」と快諾。
「コーヒーの銘柄は変えないでね!」という条件付きではありますが、晴れてコーヒー補充担当者になってくれました。
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