<この体験記を書いた人>
ペンネーム:うさぎ
性別:女性
年齢:50
プロフィール:50歳パート主婦です。
2010年頃の出来事です。
医療クリニックで働いて2年目だった私(当時39歳)はまだまだ新人でした。
医療業界では2年おきに点数改正(診療報酬に関わってきます)があります。
簡単に診療報酬について説明すると、「病院などの医療機関が患者に提供した診療行為への対価として支払われる」ものです。
その診療行為一つ一つに対して点数を定めて、1点10円として計算をします。
2年に一度の改正での変更点は、消費税の増税分や、少子高齢化、在宅診療の増加での見直し、最近ではオンライン診療の必要性が増えたことによる新設などで、点数(価格)の変動があります。
この改正のとき、私が出しゃばってしまったのです。
当時、クリニックでは長い間、同じメーカーのパソコン(医院ではレセプトコンピューター、レセコンを使用)を使っていました。
点数改正のときは、このメーカーが改正のデータを持って来てくれて、バージョンアップをします。
また、壁に貼れるような見やすい表なども作ってくれます。
その頃の私は、パソコンを納入しているメーカーが、点数改正のときにバージョンアップのサポートをしてくれることを知らなかったのです。
4月に入り新しい点数となった後のパソコン入力は、入力するコードなども変更になるため、作業に時間がかかります。
作業中、事務員さん(40代の医療事務の先輩)が「改正箇所がまとめてあるような箇条書きや、新しい点数表があると助かるのにねー」と他の事務員さん(40代)と話をしているのを耳にしました。
私は「そっか、自宅のパソコンで調べてみよう!」と思い立ち、帰宅したあと検索してみると、新年度の改正について何件かヒットしました。
その中には親切に表になっているブログもあり、私はその表を自宅のパソコンでプリントしました。
「これなら見やすいかも!」と次の日、意気揚々とクリニックに持って行ったら上司(当時51歳)から露骨に嫌な顔をされてしまったのです。
そもそもクリニックでの仕事に関することを、頼まれもしないのに自宅で調べてしまったのがいけなかったみたいです。
また、新しい改正表はメーカーからちゃんと届く予定であることも教えてもらいました。
私は、そのクリニックでは新人でしたが、過去にクリニックで小児科と整形外科での経験があったので、少し自惚れてしまっていたのかもしれません。
これは私の悪い部分でもあるのですが、たまに良かれと思って誰にも相談もせずに突き進んでしまうところがあります。
今になって考えると、出しゃばってしまった、あれは失敗だったな、とつくづく思います。
上司にはしばらく何をするにも目をつけられ、風当たりが強くなってしまいました。
休暇の申し出をする際の対応も、他の事務員との扱いが違ったように思えて...きっと生意気に思われたのでしょう。
これに凝りて、クリニックもチームということを実感しました。
それ以来、どんなに小さなことでも「あれ?」と思ったら相談するようにしています。
あれから12年が過ぎ、私もすっかり先輩の域になってしまいました。
今は後輩(41歳)が仕事で分からないことがあるときは「何でも言ってよ」と伝えています。
もし、後輩が勝手にプリントアウトしてきたら、私も上司と同じような思いを抱いて相手を警戒し、向こうも当時の私のような思いをするかもしれない...それがどんなに居心地が悪いか、私は分かっています。
風通しのよい職場で気持ちよく仕事をするには、普段からの気遣いも大切なのだと改めて考えさせられました。
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