認知症のお義母さんと、手足は不自由だけどしっかり者のおばさん(義叔母)の二人を在宅介護するバニラファッジさん。今回は、「ショートステイを嫌がるおばさんの気持ちを、少しでも前向きにしたい」をご紹介します。
【前回】ショートステイの打診に義叔母は「ガーン!」。もっと嫌がる認知症の義母には内緒で.../バニラファッジ
【最初から読む】姑と姑妹を在宅介護。両者の「紙おむつ」にまつわる葛藤/バニラファッジ
今回のお話しは、前回のつづきです。
いよいよショートステイ2泊3日の出発日が近づいてきました。
おばさんの気持ちをなんとか前向きにしたいと思った嫁がまずしたことは、新しい服を買うことでした。
お義母さんもおばさんもなかなかの衣装持ちです。
しかし、昔仕立てたスーツやコートはもう着られません。
車椅子のおばさんなどは上着の丈が長いとそれだけで座り心地も悪くなります。
脱ぎ着と着心地が楽で、リーズナブルなお値段で高齢者向けのおしゃれなデザインの服を見つけるのはなかなか大変な作業でしたが、何件か回ってみつけてきました。
明るい色のカーディガンは、おばさんの気持ちを少しあげてくれたようにも思います。
そして私は、おばさんの前回のショートステイでの感想を聞き取り次回のショートステイに向けて「おばさんの取説」を書きました。
【前回のショートステイで困ったこと】
●コールボタンが押せなかった
→車椅子の手元に、ひもでボタンをかけてほしい。
●暖房で部屋の乾燥が著しくのどがよく乾いたが自分では飲み物が飲めなかった。
→コップに入った飲料水を手の届く所に置いてください。
→就寝時は持参したマスクをかけてください。
●トイレに腰掛ける時、ドスンとなって全身が痛くなった。
→腰が便座につくまで、ゆっくりと身体を降ろしてほしい。
●手指が冷えると、痛くなる。
→タオルに巻いた簡易カイロ(持参)を就寝時と起床時に必ず新しいものと替えてほしい。
●寝る時、起きる時、首が痛くなった。
→ネックコルセットを巻いて、首の後ろに腕を回してゆっくりと身体を倒したり起こしたりしてください。
●スタッフの方が忙しそうで、声をかけにくい。
→何か困っていないか、時々声をかけてあげてください。
●布団(毛布?)が重かった。
→持参した毛布を使いたい。
おばさんはお義母さんと違って認知症の症状がないので、自分の思ったことを施設スタッフさんに伝えられると思っていましたが、前回のショートステイではそのほとんどが遠慮して言えずにいたようでした。
私が書いたおばさんの取説を施設のスタッフさんに渡しておくと約束したことで、少し不安が解消されたようです。
ちなみにお義母さんには当日の出発まで内緒にし、前回のショートステイの時のように「私も後から行きますね」と嘘をついて一緒に送り出しました。
今、思い返してもショートステイの送り出しは本当に難しい介護のひとつだったなと思います。
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