<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:良い物件が見つかった! そう喜んでいたのに...。
今から15年前、2007年に今の家に引っ越しました。
当時、上の娘は中学校2年生、下の娘は小学校6年生。
そろそろ自分の部屋が欲しいという願いを叶えるための引っ越しでした。
良い感じの新居が見つかって娘たちは大喜び。
学校近くという立地の良さも、私たち夫婦(夫44歳、私40歳)の安心感につながり、家族にとって待望の引っ越しとなるはずでした。
あんな思いをするまでは...。
恐ろしい出来事は引っ越し当日に起こりました。
新居での生活にワクワクしながら、荷物を片づけていた私たち。
時間は深夜になり、家族全員すっかり疲れていました。
「もう寝ようか」と就寝することに。
眠りについてしばらくたった頃、何かの気配? 不穏な空気? を感じてパッと目が覚めました。
「いったい何?」と周囲を見渡したところ、私の足元の方に黒い「人影らしきもの」が見えたのです。
「えっ?」と思いつつも、こわごわ目を凝らしてみたら、それはやはり人影。
背の高い女の人だと分かりました。
その女性は部屋の隅っこで、少し背中を丸めた姿勢で、部屋の隅を見つめながら立っているのです。
とっさに私は「そんなわけない...」と、目の前のことを否定するためいろいろなことを考えたのですが、どこかで「夢ではないんだ」と自覚していました。
なにせ、私の目の前にはその女性がずっと立っているのですから。
「これは現実だ」と受け入れた途端、恐怖に支配され心臓がバクバクし始めた私。
そして、なぜだか私は「相手に気づかれてはまずい」と思い、そっと布団の中にもぐりこんだのです。
見られないように願いながら。
それでも、恐怖心は全然消えません。
「布団をめくられたらどうしよう?」とか「中に入って来たら...」なんて考えが頭の中をぐるぐる駆け回ります。
その後、そのまま眠ったのか、あるいは気絶してしまったのか...気づいたときには翌朝を迎えていました。
日差しの明るさに心底ホッとしながら、「きっとあれは夢。もう大丈夫。」なんて自分に言い聞かせることに。
そんな事をぼんやり考えていたら、隣で寝ていた夫が目覚めました。
そして、疲れた様子でポツリポツリとしゃべり始めたのです。
「女の人がいたんだ。背が高くて、背中を丸めて、黒いパジャマを着てる女の人が...」
なんと、夫も同じ女性を見ていたのです!
「ということは...やっぱり...」と顔を見合わせる私たち。
そして、どちらともなく2人で夕べの女性が立っていた場所に向かい、体を向けていた方へ目をやりました。
そこには私たちの家族写真が...。
彼女がじーっと見つめていたのは、私たちの写真だったのです。
そう気づいたときには心の底から恐怖を感じました。
「この後すぐに引っ越しました」と言いたいところなのですが、現実はなかなか難しいものです。
契約や費用などさまざまな事情から、引っ越したばかりの家をすぐに出ることはできません。
そのため、毎晩お香をたいて部屋を清め、それから眠るのが日課になりました。
それをしばらく続け、平穏な日常を過ごしていくうちに、だんだんとこの日の恐怖は薄れていきました。
あれから15年、私たちは今でもその家に住んでいます。
ときどき「何か」を感じながら。
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