<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴちぴち
性別:男性
年齢:51
プロフィール:昔も今も、わけのわからない人っているものです。
今から25年前の話になります。
当時、私(26歳)は安売りで名を売っていたスーパーで店長として働いていました。
薄利多売をモットーにしたスーパーで、曜日にかかわらず多くのお客様で賑わい、特に週末は家族そろってまとめ買いに来る方でいっぱいでした。
また、安さを気に入ってくれた飲食店の店主も多く、長ネギを箱で買う蕎麦店の店主さんや、お肉をブロックのまま購入して自家製チャーシューを作るラーメン店の店主さんなども来店していました。
最初から安値で販売しているため、箱買いなどまとめて購入されても、それ以上は値引きをしないのが決まり。
お客様も十分納得して買い物をしています。
売上もおおむね好調でしたが、いつも調子がいいわけではありません。
それまで売上を上げすぎたために目標が高く設定されたせいで、予算を達成することが難しい月が増えてきました。
ちょうどその頃、10日に1回ぐらいのペースで来店されるお客様がいました。
このお客様、1回のお会計が平均5万円を超えるほどの大口のお客様です。
そのお客様が来店すると1人の男性社員がスッと隣につき、お客様の代わりにカートを押し始めたのです。
この男性社員(55歳男性、Sとします)は、部門主任を勤めるベテラン社員で、自分よりもはるかに年下の私が店長として上の立場にいることが気に入らないようでした。
私よりも自分が店長にふさわしい、と周囲に公言して回るほどで、ときには私の意見も聞かずに独断で行動してしまう、少し困った人でした。
大口のお客様が「まとめて買うから」と値引き交渉をすると、主任は各担当者を呼びつけて価格交渉し、できないはずの値引きを半ば強引にさせていたのです。
ずっと大口のお客様のご機嫌を取りながら、Sさん自らカートを押して回り、各コーナーで担当者を呼びつけては価格交渉を率先して行っています。
会計後には、Sさん自ら商品を空き箱に詰め、車まで運ぶという過剰なサービスも提供。
驚いたのは、ほんの気持ちとばかりに、売り物の菓子折りや果物を一箱、お土産と称してプレゼントしていたことです。
一部始終を見ていた他のお客様からは、当然クレームが入りました。
常連の飲食店さんからは、「次からはうちのも安くしろよ!」とか、「毎日仕入れに来ているんだから、うちにもお土産くれよ!」などのお言葉をいただきました。
私はその日のうちに、Sさんにクレームが多数入っていること、値引きは会社のルールに反すること、お土産などはもってのほかだということを話し、今後は一切禁止と伝えました。
すると、意見されたことが面白くないSさんは、私を睨みつけて反論してきました。
「売上を上げるためなら会社のルールなんか関係ない。臨機応変に対応できないから君はダメなんだ」
「俺は君より社歴も年齢も上だから、俺の言うことのほうが正しい! 俺に意見するな!」
頭に血が上るほど腹が立ちましたが、なんとか堪えて言うべきことを言いました。
「ルールはルールとして守ってもらいます。あと、お土産については、主任の自腹扱いとして社内処理します」
翌日、一部始終を本社役員に伝え、Sさんには相応以上の処分をしてもらいました。
その後、値引きもお土産も一切なくなりましたが、私の中の怒りはしばらく消えませんでした。
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