<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。親戚とは付かず離れずで付き合っています。
53歳になる兼業主婦です。
私の実家は四国の田舎にあります。
山間で自然豊かな町なのですが、その分少し閉鎖的なせいか、残念ながらいまだに「男は外で働き、女は内で働くものだ」という男尊女卑な考えを持つ人がいます。
私の伯父(80歳)もそうです。
昔から法事などで集まるたびに、私が結婚しても子どもが生まれても、産休や育休を取りながら仕事を続けていることをチクチクという人でした。
そんな伯父の言葉を、私も私の両親も今まで「はいはい、そうですね」と流して相手にしないようにしてきましたが、先日親戚が集まった時には私ではなく私の姪(26歳)がターゲットになってしまいました。
久々に親類が集まるということもあり、伯父は上機嫌でお酒を飲みすすめ、姪に絡み始めたのです。
「まだ仕事しよんで? 女なんやから仕事なんかせんと早ぅ結婚しなさい」
「女やからどうせお茶くみとかそういうんばっかりで、ろくな仕事もしてないんやろう」
そんな内容をかなりしつこく言っていました。
最終的に仕事の話はネタが尽きたのか、とんでもないことを言い出しました。
「ブスでそないに胸もないんやから、若いうちに結婚せんと誰ももらてくれへんようになるぞ」
などなど、仕事のことなど関係のないただの悪口になってきたため、私もさすがにひどすぎると間に入ろうとしました。
しかし、そこでずっと黙って座っていた姪が口を開きました。
「おっちゃん、侮辱罪で訴えてええん?」
すくっと立ち上がり、そう言い放ちました。
突然のことにきょとんとする伯父や周りの親戚に、姪は見せつけるように自分の携帯を取り出し、ボイスレコーダーで録音したらしい伯父の声を再生しました。
これは私以外にはその場にいた親類の中でも数名しか知らなかったことなのですが、姪は関西の大学の法学部を出て、司法試験に受かり、現在は大阪で立派な弁護士として働いているのです。
もちろん伯父はそれを知らなかったため、耳元で他の親類に姪の職業を教えてもらったとたん、ほろ酔いで赤く火照っていた顔を勢いよく青白くさせていました。
そして、見苦しい言い訳を始めたのです。
「冗談よ」
「立派な職についてさすがやな」
「まさか本当に訴えたりはせぇへんよな?」
おろおろしながら言い訳する叔父をじっと見つめた後、姪はこう告げました。
「おっちゃん。もう時代は令和なんやから、よそでもそんなこと言うんやめときよ」
とさらに一言加えてすとんと座布団の上に座りました。
私は心の中で「よう言うた!」と姪に拍手を贈りました。
親戚の集まりで、50歳以上も年下の姪に言われて罰が悪かったのか、それからは私にも男尊女卑なことは言わなくなったので、本当に姪に感謝しています。
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